亡くなった祖母の「増えるお金」

私がお祖母ちゃんの家に遊びに行っていたのは幼稚園から小学生ぐらいまで。

中学以降は疎遠になり、社会人になった時に祖母の死を知らされました。

祖母の家は山に近い田舎にあり、車も入れない小道沿いにあります。

昔住んでいた人も退去し、空き家が増えていました。

祖母が亡くなってしばらく、私が母と家に泊まることになりました。

誰もおらず不用心だからと親戚に頼まれたのです。

祖母の家に泊まっている間、私たちでできる遺品整理を行っていました。

祖母の化粧台の引き出しに封筒に入った現金がありました。

母と相談し、そのままにしておき、後で親戚に相談することにしました。

4万円の入ったその封筒が気になり、1日1回は確認していました。

しかし、4万5千円、5万円と見る度に封筒の金額は変わっています。

母に訊いても「知らない。」と言われ、勝手にお金が増える恐怖を感じました。

侵入者を疑って母と交代で夜見張っていましたが、特に何もなく。

現在は長男、次男で遺品処分と家屋解体の話が進んで人が住める場所ではなくなりました。

1週間程度の宿泊でしたが、未だにあの時なぜお金が増えていたのか、そのお金はどうなったのかは分かりません。

今でも寝る時には誰かが入って来ないか厳重に戸締りしないと気が済まないという癖が付き、あの時のことは何年経っても怖いです。

祖母の家には何かが住み着いていたのか、それとも亡くなった祖母がお金を増やしていたのか。

色々憶測してもあの時の謎は解けません。