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心霊

withさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

階段から聞こえる音の正体
長編 2021/11/27 12:52 939view
俺が高校生の頃に体験した話なんだが、未だに思い出すほど鮮明に覚えている。

初めてアレの存在に気づいたのは当時実家のリビングでコタツに潜り込んでうたた寝していた時だった。
時間は日暮れ時で夕焼けの日射しが眩しくてちょっと寝ぼけていたんだが、ドアを挟んだ廊下の方、階段辺りからギシギシという家鳴りが聞こえた。

始めは家族の誰かかと思ったけど、すぐに一人で留守番していることを思い出して、その瞬間意識は覚醒して飛び起きた。
まさか泥棒じゃないかと不安になり、近くにあった分厚い漫画雑誌を掴んでそーっとドアまで歩み寄り聞き耳を立てた。

ギシ、ギシ。

やはり音はハッキリと聞こえた。

俺は音がしないようにノブに力を込めてドアを開けて廊下を覗いて誰かいないか確認した。
無論何の気配もないのだが、次第に視線は突き当りの階段口に向かう。

廊下の突き当り角、その向こうに階段があるのでここからじゃ何も見えない。
俺は足音を殺して廊下を進んで角までやってくると、さながら刑事のように壁に背を預けて覗き込む。

そこにあるのは窓から差し込む夕日で焼けた階段だけで人の姿はなかった。
念の為、勇気を振り絞って二階の部屋もくまなく見廻りしたんだが、押し入れの中とかも当然誰もいなかった。

古い家なので家鳴りという事にして、俺は納得した。

その日からも家鳴りの現象は起きていたんだが、決まって俺が一人の時に聞こえてきた。
そのこともあって両親に「建物傷んできてない?家鳴りひどいよ」と言っても相手にもされなかった。

そんな生活が続いた一か月後くらいに、俺は恐怖に戦慄することになる。

何やら泊りがけの旅行チケットを友人からプレゼントされたとかで、両親が外泊することになった。
俺はというと部活もあるし休日も友達と約束してたし、そもそも高校生になって親とただの旅館でお泊りも楽しいとは思えなくて留守番することにした。
そして週末、俺は仲睦まじい両親を見送って、家で一人暮らしを満喫する。

日中は部活があるから学校へ通い、その後は暗くなるまで友達の家でゲームして過ごした。
夕飯は自炊が面倒だからスーパーでカップ麺とか菓子を買い出しして、家でも夜遅くまでゲームしたり漫画読んだりしてダラダラしてた。
両親が居たら絶対に注意されるななんて思いながら3個くらいカップ麺食べてた。

深夜、リビングでテレビつけたままいつの間にか寝ていたらしく、俺は尿意で目が覚めた。
トイレを済ませて廊下へ出ると俺は不意に悪寒がして立ち止まる。

最初に廊下の突き当りの角に階段があると書いたが、廊下の突き当りにはトイレがあり、したがってトイレを出て横を見上げれば階段が一望できるんだ。

俺は何気なく徐に階段を見上げた。

ギシ、ギシ…。

悪い方に予感が的中して最悪な気分になった。
これまで何度も家鳴りには遭遇したが、ここまで至近距離で聞いたのは初めてだった。
音の大きさからしてきっと階段を上がった曲がり角、壁で死角となっている先から音は鳴っている、そう確信できた。
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