行方不明の少女が現れた怖い話

妻の実家の近くで実際に起こった話です。

妻の実家は栃木県の裏日光に近いエリアで、集落の周辺は山林ばかりです。10年ぐらい前に、日光へ脱ける山道で一人の少女が行方不明になったことがあったそうです。その少女は両親と一緒に東京から夏の川遊びにやってきたのですが、少女が山の方へ行ったきり消えてしまったのです。

警察や消防団が連日捜索しましたが、とうとう少女は見つかりませんでした。

事件のことが忘れ去られた一年後に、地元の人が車で山道を通って日光へ行こうとした時、突然林の中から少女が飛び出してきて跳ねてしまいました。運転手はビックリして車を止め、外へ出てみましたが誰もいません。変だなと思って、気味が悪いのでUターンして自宅へ戻ったそうです。

その方は奥さんと二人暮らしだったので、早めに夕食を済ませて床に着きました。夜中にトイレへ向かったら、居間がボーッと明るくなっています。何だろうと思って障子を開けたら、仏壇の前に少女がポツンと座っていたんです。

ビックリして声を上げようとしても声が出ません。すると少女が悲しそうな顔で見つめてきました。顔全体に擦り傷があって、手首が折れたように曲がっているのに気付きました。

ようやく悲鳴を上げて寝室へ逃げ込んで、奥さんに事情を話しました。気の強い奥さんでしたから、手に掃除機の柄を持って居間に向かったそうです。しかし、少女の姿はありませんでした。

翌日、近所の人にその話をすると、1年前に消えた少女じゃないかということになり、もしかしたら車に跳ねられて死亡し、埋められたのかもしれないということになりました。

気になって仕方ないので警察にそのことを伝えたところ、改めて捜索することになり、少女が飛び出してきたという林のあたりを探したところ、白骨死体が見つかったのです。

少女の魂が見つけてくださいと、通りがかりの車に乗り移ったという噂が今でも語り継がれています。