車が勝手に横転する場所

今ほどまだそこまで観光名所になっていなかった15年ほど前に島根県に住んでいました。

当時松江市で暮らしていましたが地元の同僚たちの勧めで出雲大社に観光に行くことにしました。
でもその当時出雲市に近づいてくると霊感の強い人はいろんなもの感じたり体験したりすると言う話しも聞いていました。

その中でも実際同僚が体験したことが車が突然横転するというものでした。
松江市から出雲大社までは国道9号線を走れば行けるのですが、よく渋滞するので地元の人は県道28号線と山道を利用します。

車が横転すると言われている場所は出雲市に入ってだいたい1キロ圏内だと言われていました。
中には一度ならず二度横転したという噂もありました。

横転経験のある人から話しを聞くと本当に誰かが車を突然持ち上げて投げ飛ばされるような感覚だというのです。

同僚のお父さんは日を変えて何度か経験されていたので思わずその瞬間「やめろやっーこの野郎ー！」と外に向かって怒鳴ったほどだと聞きました。

そんな話を聞いて興味はものすごくありましたが車は必需品でしたし万が一横転しても修理費が大変だと思い車ではなかなか行けませんでした。

ある日、同僚が廃車にする予定の車があるというのでそれに乗って出雲大社に行くことになりました。
メンバーは4人、その中で車の横転経験者は1人でした。
ちなみにその人は車の持ち主、運転手ではありません。
もともと私は霊感が全く感じないので半信半疑の気持ちでした。

朝10時頃松江を出発しました。県道28号線も過ぎて山道に入りました。
「ここから出雲市」という看板も過ぎました。
1キロ走り2キロ以上走りました。みんなで「あぁ何も起きなかったね〜」と話していたその瞬間、
車がふぁーと宙に浮いた感覚になったと思ったら横転とまではいきませんでしたが直進していた車が道の横にずずとそれていきました。

運転手も自分の意志とは全く違うようになったとびっくりしていました。そして落石に当たって車は止まりました。
その日は快晴で山道も県道28号線も土砂崩れ等は一切ありませんでした。
あれから15年くらい経ちますがいまだに車が宙に浮いて道からそれていったあの感覚が忘れられません。