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不思議体験

ぞざいさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

訳ありの部屋
短編 2020/12/28 21:35 3,091view
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これは私が10年ほど前に知人から聞いた話。(以下知人をAとする)

Aは姉と両親の4人家族で、数ヶ月前に家族で一戸建て新居に引っ越した。Aは、姉と部屋を分けてもらえたらしく、1人だけの部屋を手に入れた。当時大学生だった彼女は、引っ越すまで姉と2人部屋であまり自由がきかなかった経験からとても嬉しく思ったそうだ。しかしその喜びは徐々に恐怖へと変わっていった。

最初に異変を感じたのは夜、寝ようと消灯した時にふと大きな物音を部屋から聞いたそう。しかし、電気をつけて見ても何も落ちておらず、Aは気のせいだと思い特に気にかけていなかった。そのような事が続くようになり、Aも少し異変を感じ始めるようになる。しかしとうとうそれが確信へと変わる瞬間が来てしまう。

Aはいつもの通り消灯し、寝ようと布団を自分の身にかけた。数分して、ガタガタといつもの物音が鳴り出したが、この時の音は本当に地震が来た時のような音だったらしく、Aは布団を頭からかぶり、地震から身を守ろうと身構えたそうだ。

しかしだんだん音は大きくなって、Aは恐れながらも布団から少しだけ顔を出して周りの状況を確認したそうだ。すると、家具が本当にぐらぐらと揺れており、地震だと確信したが、Aは異変に気づく。なんと時計の針がものすごい速さで回っていたのだ。

恐怖を感じたAは布団をかぶりながら下の階にいる両親の元へ泣きながら助けを求めに行った。両親は、大学生にもなる娘がこのように恐れ、泣きじゃくる姿に只事では無いと思い、数分してAが落ち着きを取り戻してからAの部屋に向かった。部屋を開けてみると、何故だか部屋中が水でびしょびしょに濡れておりその場にいる皆は言葉を失ったという。

その後Aはその部屋から引っ越し、結局姉と同じ部屋で暮らすことになったそうだ。

この話をしてくれた知人とは今、連絡が取れない。それどころか、この知人の名前さえ思い出せないのだが、この話があまりにも衝撃的だったため、はっきりと覚えている。

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関連タグ: #事故物件#地震#家具
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