恐怖の怪奇ホテル

しかし…、ノックされたはずなのに、なぜか外には誰もいません。ぞくっと肌が泡立ちました。
今の何？と鏡台の前に座る私の顔色は明らかに悪かったです。

再び髪を乾かしていると、またノックが。聞き間違えかもしれないと思ってドライヤーを止めてしばらく静寂の中待つとやっぱりさっきと同じように「ドンドン」と2回ノックがありました。外で笑い声がしたので、私はやっぱり友達が脅かそうとしているんだと思って戸を開けたんです。
さすがに2回目まで誰もいないなんて思わなかったです。

その後お風呂から出てきたＢちゃんが真っ青な顔で、「隣の部屋移ろう」と言いました。とにかく早く！と急かされ、私もこの部屋が怖かったこともあってバッグ一式を持って隣へ避難。「私たちがそっちに行くって言ったのに」と言われましたが、私たちの出来立てほやほやの怖い話を聞いたら、無言になって招き入れてくれました。

真っ青だったBちゃんはお風呂の鏡で女の人の横顔を見たらしいです。怖すぎて叫ぶこともできなかったと言っていました。私はそんなものを見なくて済んでよかったと心底思います。

私たちは4人で2人部屋のベッドを使って眠りにつきました。
翌朝、チェックアウトするときに外からあの部屋をちらっと見たんです。そこには何もいなかったけど、私はなんだかぞくっとした寒気を感じました。