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妖怪・風習・伝奇

ユッケジャンさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

百地蔵に線香を供えましょう
長編 2021/11/06 11:53 963view
これは私自身の体験談です。
いつからかは分かりませんが、気づいた時には妙な気配を感じたり嫌な気持ちになったり、見たくないものを見えてしまうことが多くありました。

今は専門の先生に祓ってもらい多少のことは自分でどうにかできるようになりましたが、この話はまだ自分の体質をよく分からず霊を誘き寄せてしまっていた頃の話の一つです。

20代前半の頃の話です。
当時とても仲の良かった友人Yと毎日のように遊んでいました。
Yには長年思い続けている好きな人がいて何度も告白しましたがその度に振られてしまい、でも諦めきれず、占いや神社にお参りなど熱心に足を運んでいて、私もよく付き合いで行っていました。その中の一つが百地蔵です。

百地蔵とは通称で正式な名称は分かりません。Yの住む市内にあり木に囲まれひっそりとある人気のない小さな神社です。
なんの神様が祀られているかも分かりません。Yが言うにはたくさんのお地蔵様がありそのお地蔵様一体一体に線香を一本ずつ供えると願いを聞いてもらえるとのことでした。

理由は分かりませんがYは夜に参拝したく、なんの灯りもなく真っ暗な神社ではお地蔵様に供える線香を落としてしまうかもしれないから一緒に来てライトで照らして欲しいと頼まれました。
過去に霊障で色々あったにもかかかわず当時の私はそれを霊障だと気付いてなかったこともあり能天気に私はいいよと返事をし百地蔵に付き合ったのです。

その日Yとは昼から遊び一緒に夕食を食べ、スーパーが閉まる前にと急いで線香を買いに行って、そのまま百地蔵に向かいました。
夜の10時ごろだったでしょうか。夜に神社に来るなんて普通なら初詣くらいしかないよなあと思いながら灯りのないくらい神社に向かいました。

百地蔵の付近には店も民家もなく木に囲まれ灯りがないため、暗いはずと思っていました。なのに私たちを案内しているかのように神道だけ少し明るく見えたのです。それは神秘的にも不気味にも感じられました。

Yはそのことに気が付いていないのか気にしていないのか分かりませんが、何も言わずに線香の準備をしていました。私も自分の役目を思い出しライトを付け照らしました。

するとそこには、神道以外あらゆるところに大きいものから小さいものまで多種多様なお地蔵様がぎゅうぎゅうに並べられているのでした。
小さいものは親指ほどのサイズ、大きいものは1メートルほどあったと思います。
見た目も様々で立っているものだけでなく横になっているもの、座っているの、服を着ているものや色が付いたものもありました。

あまりの異様さにヒッと息を飲んだのを覚えています。
この異様な空間にも関わらずYは線香をつけお地蔵様に供えていきす。
左側のお地蔵様から一本一本お地蔵様に供えていましたが、つい気になって口を出してしまいました。

「全部のお地蔵様に供えなければいけないんでしょ?なのになんで線香をあげるお地蔵様とあげないお地蔵様があるの?」

Yが端から順番にやっていこうとしているのは分かりますが、それにしては線香をあげていないお地蔵様がたくさんあったのです。

「もしかして線香が足りないの?」
と続けて聞くとYは
「ちゃんと全部にあげてるよ。何言ってるの?」

Yが言うにはお地蔵様は綺麗に横に並んでいるから端から順番にあげているし、お地蔵様はよく見るサイズのもので、これだけ大きかったら見逃すはないと言うのです。
お地蔵様の数も左右に10体ずつだから線香も足りると。私はなんと返していいか分からず黙ってしまいました。
Yはお地蔵様は20体程だと言いますが私にはどうみても100体じゃきかないくらい、数え切れないほどのお地蔵様の数が見えていたのですから。

Yがお地蔵様への線香が終わり、賽銭を入れ賽銭箱の前で手を合わせました。
好きな人のことをお願いしているのでしょう。私はそれをぼーっと後ろで見ていました。
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