連絡網

「あ、ああ、そう。それなら先生に連絡しておくから…。」

最後まで会話はぎこちなく、電話を切った。

私はほとんど初めてSさんと長く話すこととなった。

気持ちを落ち着かせ、数分後に私は担任のいる学校に連絡した。

ところが、誰かいるはずの学校で電話が通じない。呼び出し音がただ繰り返されるだけだった。

一度切って、また後でかけ直そうかと思った時、教頭先生（だったと思う）が電話を取ってくれた。

教頭は慌てた様子で

「今、ちょっと大変な事になってるんだ、また後で電話をかけ直してくれないか？」

と言うから、

「どうしたんですか？」

と聞くと

「いや、君のクラスのSさんの家が火事になって、今大変なことになってる。」

ついさっきSさんに電話をしたばかりだからそんなはずがないと思ったから、

「本当にSさんの家なんですか？Sさんは無事なんですか？」

そう聞いてみると、

「いや、今は何もわからん。明日までに確認しておくから。」

そう話して電話を切った。

翌日、学校で担任の説明では、やはりSさんの家は火事で全焼し、残念な事にSさん親子は焼死していた。

原因はストーブか何かの火が燃え移ったとかだったらしい。

しかし、どう考えてもおかしかった。

私がSさんと話をしていたのは、ちょうど火事になっていた時間だったからだ。