奇々怪々 お知らせ

心霊

YUCHIさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

睨むお雛様
長編 2021/10/22 21:45 3,189view

私は子どもの頃、小さなお雛様しか飾ってもらったことしかありませんでした。
大きなお雛様にあこがれはあったけど、家にはそんなスペースないでしょ!といつも母に一蹴されていました。
こういう体験をしている方は多いんじゃないかと思います。

そんな私は、子どもができたら大きなのを買ってあげたいと夢見ていたけど、1人目は男の子。
3年後にまた妊娠が発覚し、この時は女の子だとわかりました。
しかし子どもができてみたら、やはり大きなお雛様を飾るスペースはなく、息子はやんちゃ盛りだし、小さめの雛飾りにしようと考えていました。

娘が産まれ、義実家は大喜び。頼みもしない贈り物がたくさん届きました。

そんな時、義実家から電話がありました。7段の雛飾りをプレゼントしたいと言うのです。

そんな立派なものを頂いても飾るスペースはないし、息子にイタズラされて大変なことになるから、小さいのにしてほしい。と断りました。

ですが、義実家、特に義母は絶対に譲ってくれません。

もともと義実家との関係は良好と言えなかった私は、強く断ることもできず、夫に相談しました。

ですが、頼みの夫も仕方ないじゃん。おふくろが譲るとは思えないくらいなもので、全然とりあってもらえず、ついに7段飾りが届いてしまったのです。
飾るのも片付けるのも私一人。

初節句はなんとか一人で用意し、義母にも見せ、これでもう文句ないだろうと、翌年からは小さいのを購入し直して飾っていました。

その後娘が7才のときに義母は癌で亡くなりました。
私は内心苦手な義実家と付き合わなくて済むとホッとしていました。

さらに5年後夫の転職にともない引っ越しをすることになりました。
夫は最後まで仕事が山積みで、引っ越し準備も私がほぼ一人で進めることになりました。

押し入れを片付けている時に、なんだか寒気がしました。
風邪でも引いたかなと思いながら作業を続けていると、あの7段飾りが出てきたのです。

私はなぜか雛人形の袋を開いてみたくなりました。
するとお雛様がものすごく怖い表情で睨んでいるのです。
お雛様は優しい穏やかな表情のはず。でもこのお雛様は明らかに怒った表情をしているのです。
私は怖くなりましたが、咄嗟に写真を撮りました。

夫が帰宅後、この話を説明しましたが、想像通り夫は鼻で笑って信じてくれません。
そこで私は先程撮った写真を見せました。すると夫は青ざめた表情で、ほんとだ…と答えました。

私たちは再度そのお雛様を見てみることにしました。
夫が袋を開けると、やはり怒った顔のお雛様がそこにはありました。夫は気味が悪いと袋にしまいました。

捨てることも考えましたが、怖いねと2人で処分を悩んでいた時に、たまたま霊感のある友人と会うことになりました。

私は友人にお雛様の話を相談しました。友人は親身に聞いてくれ、写真も見てくれました。
友人は、その場では何も言わず、家に来たいと言うのです。

1/3
コメント(1)
  • 怖いけど、ちょっと切ないよな。

    2023/05/23/17:20

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。