エレベーターの浮遊霊

昔住んでいたマンションの話。
１０階建てのまだまだ築年数も浅いマンションで実際に体験した話です。

都内で初めて住むマンションでそれは起きました。
そのマンションのエレベーターにはエレベーターの中が映る防犯カメラが設置してあり、中の様子が１階の入り口で確認できるようにモニターが設置してあります。
入居してすぐそのモニターは映らなくなり、いつしか稼働しているのかもわからなくなっていました。

住み続けて３年目の夏ごろでしょうか。よくエレベーターが７階で止まっているのを目にするようになりました。
それは朝も夜もいつ見ても７階のランプが光っており、たまたまかな？とあまり気にしていませんでした。

深夜バイトから帰宅し、ちょうど２時を過ぎた頃でした。

やはりエレベーターが７階にあるのです。深夜は１階に降りる設定になっていると管理人の方から聞いていたので、少し気にはなりましたが、考えすぎだろうと気にしないようにしました。
ただ１点を除いては・・・

急にエレベーター内を確認できるモニターが砂嵐になったのです。

その後パッとついたモニターにはカメラに背を向けた春コートを着た女性が佇んでいるのです。

その時の季節は真夏。

カラーのモニターがどんどんモノクロになり、女性がこちらを振り返ろうとゆっくり動いた瞬間、「やばい」と思い私はエレベーターを使用せず、非常階段を駆け上がり無事我が家に辿り着きました。

しばらくはエレベーターに乗ることも怖く、３ヶ月は階段を使用していました。

それから数日後、７階に住んでいる男性の方が引っ越しをされてから、エレベーターが７階で止まることもなくなり、違和感を感じることもなくなりました。

あの女性が、本物の人間なのか、それとも生き霊なのか、何なのかは今ではわかりませんが、あの頃引っ越しを考えるほど怖い体験でした。