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呪い・祟り

キミ・ナンヤネンさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

猫の名前
短編 2021/10/17 01:30 4,274view
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私が住むこの町は、ほとんどの家で猫を飼っている。

おまけに野良猫も多く、ちょっとした「猫の町」として知られている。

ここではいくつか決まりごとがある。

 1 飼い猫には首輪と鈴を付ける

 2 猫に人のような名前を付けてはいけない

という物だ。

1については、飼い猫と野良猫を区別するためだ。

2については、その理由には諸説あるが、先祖代々そうしているという。

かつて人のような名前を付けられた猫がなぜか早死にしたり、事件や事故に巻き込まれる事が多かったらしい。

だから、今では「タマ」とか「ミケ」とか、典型的な名前しか付いていない。

ただ、最近はその決まり事を知らない、あるいは気にしない若い家族が増えてきた。

そのせいで人のような名前が付いた猫も何匹かいる。

ある日、この町に一人の男が引っ越してきた。

男は近所づきあいは普通で、行きつけの店や顔なじみも出来た。

この町に来たのはただの偶然で、通勤するにはちょうどいいから、というただそれだけの理由だった。

ただ、男にはちょっとした噂があって、お化けや幽霊が見えるとか、そんな話だ。

私も、男が誰もいないはずの所をじっと見つめていたり、猫に威嚇されたり、ちょっと不思議な所を見たことがある。

町の住民たちは、猫の顔や体の模様、首輪の色などで、その猫がどこの家の猫なのかすぐにわかる。

しかし、男は猫があまり好きではないらしくて、猫がどこの家で飼われているかとか、名前が何なのかとか、一切知ろうとはしなかった。

おまけに、野良猫を足で蹴ったりしているところを見た人もいた。

当たり前の事だが、猫に危害を与えるのは、この町では大きなタブーとされている。

だから、住民たちは男をある意味注目していた。

そんなある日、事件が起こった。

3日連続で3匹の飼い猫が殺されたのだ。

ところが、すぐに犯人が捕まった。あの男だった。

男の供述では

「猫が俺を睨んで殺されそうだった」
「猫が人の形に代わって俺を襲ってきた」
「猫を殺せと声が聞こえた」

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コメント(1)
  • すごく良くてできてる話
    面白かったです

    2021/10/18/09:32

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