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心霊

和洋折衷さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

自転車を引っ張る幽霊が残した怖すぎる物
短編 2021/10/08 22:45 2,060view
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季節は夏の始まり
私が中学2年生の時の出来事です。

私の住んでいた所はとても田舎で
中学校へは毎日1時間かけて自転車で通学していました。
行きは仲の良い友達と楽しくおしゃべりしながら学校へ行きますが
帰りはお互い違う部活に入っていた為1人で帰っていました。

夏になると部活の時間は冬より伸びて
片付けが終わる頃には外は自転車の灯りがあっても
見えにくいほど暗くなっていました。
街灯は少なく道によっては無いところもありました。

いつものように暗い中を自転車を左右に揺らし息を切らして

1人で帰っているとどこからか視線を感じるような
今までにない嫌な感じが身体を包みこみました。
後ろから車が近づいてきてライトの灯りは行き先の前方を照らしています
するとガードレールの奥の竹林からこちらを誰かが見ているではありませんか
竹林はすぐ下には川があり足場も悪いので、そんな所に夜中人がいるはずなんてないのです

私は一気に恐怖で身体が震え上がりました。
極力視線を上げず、何も見えてない振りをして人のようなものの横を通り過ぎました。
その日の夜は怖くてなかなか寝付けませんでした。

次の日、友達と喋りつつも恐る恐るその道を通ってみると
いつも通り何の変哲もない竹林だったので昨日は私の見間違いだったのかと不思議に思っていました。
自分の見間違いだと思うと、どこか安心してしまい

忙しい毎日の中でこの出来事は忘れていってしまいました。

数週間たったある日
私はまたいつものように部活帰りの夜道を自転車を目一杯漕いでいました。
竹林を通り過ぎ、家までは坂を登ればあと500メートル程の距離まで来た時
坂の入り口に入った途端、徐々に徐々にでも確実に自転車のペダルが
重くなっていくのです。もうすぐ坂の頂上に着くという頃には、
ペダルが漕ぐことができなくなっていて、自転車から降りて手で押していました。

やっとの思いで坂の頂上に着いたとたん、ぐんっと荷台を誰かに引っ張られるような感じがしました。
その途端忘れていた記憶が一気に蘇ってきたのです。
見間違いだと思っていたけど、やっぱり幽霊がいたんじゃないか?
付いてきてしまったのか?
そして今この瞬間まさに幽霊が荷台を引っ張っているんじゃないかと思い
怖いながらも勢いよく振り返り荷台を確認しました。

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