トイレの花子さんは本当にいた⋯？

私が小学生の頃、人気子供向け番組の中でトイレの花子さんを題材にしたアニメを放送していました。番組自体は大好きで欠かさず見ていたのですが、トイレの花子さんのアニメはとても怖くて、アニメの間だけは見ないようにしていました。
現在でもインターネットで検索すると「怖すぎてトラウマを量産するタイブの番組」と紹介されているほどです。このアニメの影響で、私は学校のトイレが怖くなってしまい、学校にいる間はトイレを我慢するようになりました。

小学6年生になったとき、友達からトイレにまつわる噂話を聞きました。「6年生の教室のある北側の校舎の3階の女子トイレには幽霊が出る」というものです。ずっとトイレを我慢してきた私には関係ないと思っていましたが、学年が上がるにつれて授業のコマ数が増え、トイレを我慢することができなくなってしまい、とうとうトイレに行くことにしました。

放課後のトイレには誰もいませんでしたが、窓から外の景色が見え、思っていたより不気味ではありませんでした。一番手前の個室に入り用を足し水を流し、安心してトイレから出ようとしたときでした。流水音の後に「チリン」という鈴の音がはっきりと聞こえたのです。

翌日すぐに友達にこの話をしたところ、みんな鈴の音を聞いたことがあると言っていました。別の日に何度使ってみても、同じ鈴の音が聞こえました。先生にも相談しましたが、故障ではないようで原因は分かりませんでした。噂では、昔女子生徒がトイレに吸い込まれ、ずっと鈴の音が鳴り続けているとか⋯。本当かどうか確かめる勇気がないまま卒業してしまいましたが、今でもあの鈴の音は耳にこびりついています。