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心霊

オハナさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

巫女さんのアルバイトをしていた時の話です
短編 2021/09/28 19:19 2,805view
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これは、今から18年程前のお話です。

当時私は大学生で、千葉県の某神社で、巫女さんのアルバイトをしていました。
珍しいアルバイトですが、もともと親戚付き合いのあった神社でしたので、お手伝いという形から始めました。

ある日、この神社に長年お仕えしていた総代のおじいさんが、不慮の事故で亡くなられました。
厳しくも優しいおじいさん。
それ程お話した事はありませんでしたが、突然に亡くなられた事に驚きを隠せず、とてもショックでした。

おじいさんが亡くなられて、数か月程経った頃だと思います。
神社内の応接室の清掃をしていた時、私の耳元で「うぅぅ〜…」という男性の低い唸り声が聞こえました。
その時応接室にいたのは私1人。背後や隣ではなく、耳元でハッキリとその声が聞こえたのです。

その瞬間、真夏だというのに身体中に寒気が走り、冷や汗が流れ、今まで感じた事のない異様な空気感が漂い…あまりの恐怖に声を上げながら、私は応接室を飛び出しました。

パニックになりながら社務所に駆け込みむと、その様子に驚いた神職さん達が「どうしたの!?」と声をかけてくれました。
今起きた事を話すと「今日は境内の工事が入ってる日だから、外にいる作業員のおじさんの声が聞こえたんじゃない?」と言われました。
「違います!外じゃなくて耳元で聞こえたんです!苦しそうな唸り声が!私、怖くて応接室行けません!」と必死に訴えたところ…

「あ…もしかして」
と何かを思いついたようにハッとした神職さん。
「大丈夫だから、ちょっと一緒に応接室行ってみようか」と促され、私は渋りながらも再度応接室まで戻る事にしました。

恐る恐る中に入ると、
「あぁ、うん、なるほどね」と妙に納得する神職さんは、なぜか優しそうに笑っていました。

「何がなるほどなんでしょうか…?」と尋ねると、

「今日は、おじいさんの月命日なの。おじいさん、いつも応接室でお仕事してらしたから、きっとご挨拶にいらしたんじゃないかな。亡くなられてから毎月この日に、今いらしてるんだなぁって気配を感じるの。きっと神社の事を心配して見守ってくれてるのよ。だから怖がらなくて大丈夫。」

そうか…亡くなられた今も、こうして様子を見にきてくださっているんだ…そんな事があるんだ…そう思うと、なんだか切ない気持ちになりました。

神職さん達は、やはり職業柄どうしても人より霊感が強くなるからわかるのだそうです。
私はその頃霊感なんて全く無かったので、本当に驚きの経験となりました。

しかし同時にこうも思いました。
…ご挨拶や見守りにいらしているのなら、なぜあんなに「苦しそうな唸り声」だったのでしょうか。
あの声は、本当にあのおじいさんのものだったのでしょうか…。

そして最後に神職さんに言われた一言に私はゾッとしました。
「霊感ないからこういう体験初めてでびっくりしたでしょ?これがきっかけになって、今後霊感が強くなるって人すごく多いから…色々見えたり聞こえたり。…何もないといいね。」

言われた通り霊感が強くなり、この直後から数々の心霊体験を味わう事になりました。

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コメント(1)
  • 色々な心霊体験、投稿して下さい。

    2024/02/10/06:05

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