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心霊

TOHAさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

霊に殺されかけた京都の夜
短編 2021/09/07 10:34 280view
かなり昔の自分の体験です。
私は幼少時から何度も魂らしき物体がゆっくりと飛んでいくのを見たことがあり、そもそも霊と波長が合いやすい体質だったのかもしれません。
この話はこれまでの私の霊体験で、最初に命の危険を感じた出来事です。

二十歳の学生の頃、京都での予定があり、市内のとあるユースホステルを予約し一泊しました。
今は数もかなり減少し、知名度も低いかもしれませんが、当時は安く泊まれる宿として多くの若者が利用していたのが「ユースホステル」でした。
私が宿泊した部屋は4階で、こじんまりした部屋に二段ベッドと簡易折りたたみベッドがギリギリ入るくらいのスペースでした。
通常は2人定員を夏休みの繁忙期のため3人仕様にしたようで、チェックインが遅かった私が簡易ベッドを使用することになりました。

夜遅く眠りについてしばらくしてから、パタパタと廊下を走るスリッパの音で目が覚めました。
元々眠りが浅く物音がすると寝ていられません。
真夜中に騒がしいと思い聞いていましたが、その音が一人の音ではなく複数人で、何度も往復している音であると疑問を感じながら嫌な予感がしていました。
何とも言えない空気感が漂うような嫌な予感は的中しました。
「う~」「あ~」と、うなるような女の声が耳元に聞こえ始め、うなり声から呪いのような言葉も…。
それと同時に身体が動かなくなりました。
金縛りではなく、ベッドから手が出ているかのように羽交い絞めにされ、強い力で押さえつけられました。
上から覆いかぶさるのではなく、ベッドの下からガッチリつかまれるような感覚で、手足だけではなく首もじわじわと絞めつけられました。
このままでは駄目だと思いながら、声も出ず抵抗しようともがき苦しみました。

その悶絶した私を救ってくれたのは同室の二段ベッド下段にいた女性で、その方はいつも午前2時頃に起きて、彼氏のバイト上がりに電話しているとのことで、ちょうど起きたときに私の異常事態に気づいてくれました。
恐怖のあまりガタガタ震える私を、部屋から下のロビーに連れ出してくれて救われました。
夜中に誰一人廊下を走っていないこと、ちょうど起きたとき静寂の中、私が一人ひどく苦しみだしたと、そんな互いの話を聞きながら朝を迎えました。
部屋に戻って簡易ベッド横の窓から、外の景色を見下ろして驚きました。
夜のチェックインで暗くて気付かなかったのですが、建物の裏側はうっそうとした墓地が広がっていました。
もし同室の彼女がいなかったら、彼女が夜中に起きる習慣がなかったら、そんなことを考え、助けられた偶然に感謝しつつ恐ろしさに震え上がりました。

もうすっかり昔の話ですが、あの女の霊の声をいまだに覚えています。
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コメント(1)
  • 結局金縛りは魘された夢だったのかな?
    それとも目だけが動く状態を同室の人に見られたのかな?
    詳しくお願いします。

    2021/09/07/23:58

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