奇々怪々 お知らせ

不思議体験

サイチェンさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

影踏みで起きた不思議で怖い話
短編 2021/09/06 22:59 1,499view
2

私は小学校の夏休みに、おばあちゃん家の敷地で影踏みをして遊んでいました。
近所の仲良しの子たちとおばあちゃん家の庭に集合し、私と妹を含めて4人でこの遊びをしていました。

日光が照って照ってたまらないくらい暑い日でしたが、私たちはもう遊びに夢中になって暑さなんて気にしていませんでした。しかし、そこで不思議なことに喧嘩が起こったのです。
影踏みで喧嘩だなんてそうそうありませんよね。私も少々不思議に思いましたが、喧嘩をしていたのがうちの妹と一番年下の近所の子だったので、私はなんとか取りなそうと思いました。
そこで話しをよく聞いてみたのですが喧嘩の原因が影を「踏んだ」のに鬼を変わってくれないというものでした。妹が近所の子の影を踏んだのに鬼を変わってくれなくて、もう一回踏んだけどそれでも変わってくれなかったっていうのです。言われた子は頑なに「踏まれてない!」と言い返していて、会話が平行線でした。

仕方なくこの中で一番年長者だった私は二人の喧嘩を止めるために自分が鬼になることにして喧嘩を止めたのですが、始まった影踏みで驚きました。確かに私が追いかけた子の影を踏んだのにその子は鬼を変わってくれなかったんです。首をひねった私はもう一度影を踏もうとしてドキッとしました。追いかけている友達の影がなんだか2人分あることに気づいてしまったからです。

気づいた私はその子に「ちょっと待って!」と声をかけました。異様なことだったし影をもう一回きちんと確認したかったのです。しかし、タイミングが悪かったのでしょう。私の声に驚いた近所の子は足を取られて思いっきりコケて膝から血を出してわんわん泣きだしました。丁度おばあちゃんが家から出てきて、その子を抱き起こしたのですがタイミング悪くその子の親がおやつにスイカを持ってきてくれたところで、早々に泣いているその子を連れて帰ってしまいました。こうして、なんだかばつが悪い感じになってしまって、影の話どころではなくなってしまったのです。

これだけの話であれば、影は私の見間違いと言うことで話で終わっていたかもしれません。しかし、この話の奇妙なところは後日にあり、その日一緒に遊んだはずの近所の子は翌日けろっとした顔でいつものように遊びに来ました。しかも膝に怪我をしていたはずなのにその傷が一切見当たらず、私たちに「昨日は一緒に遊んでない」というのです。まるで狐に化かされたような気分でした。

未だに思い出すと、じゃあ、あの日遊んでいた子は一体誰なんだろうとゾクっとします。影が二つあるその子は一体何者で、どこからやってきてどこに帰って行ったのかと不思議でゾッとした寒気を感じずにはいられません。

1/1
コメント(2)
  • 双子かドッペルやろか?
    影踏みのルールがよくわからないけど。

    2021/09/08/00:06
  • その子は影だったのかも知れない
    もしかしたら私たちの世界は光だとしてそして裏面の世界があるとしたら?
    ドッペルゲンガーはそちら側の人なのかもしれないし,もしかしたらその不思議な子の影を踏んでいなかったら友達は帰ってこなかったかもしれない
    分かりにくくてすいません

    2023/03/28/14:32

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。