暗闇の一本道

夜、車でドライブに出かけるのが好きな自分は、いつも同じコースを周回して運転するのが日課になっている。
ある日の夜、いつものように自分の住んでる街から隣の街方面に車を走らせていた。
川沿いの道路を走るのだが、途中で街境のカントリーサインがある場所の電灯の無い交差点を通りすぎる。
電灯がないから夜は暗闇である。その交差点はいつも夜通ると少し怖い思いをする。
一瞬通り過ぎるだけだが横が真っ暗闇なので少し怖い。

ある日の事、いつも通りその交差点に差し掛かると車がガタガタ揺れだした。そしてどこかから多分、暗闇の方角から声が聞こえる。車内にいるのにだ。嫌な予感しかしないし、それに無茶苦茶怖い。
咄嗟に「お前なんて怖くないぞ！！」と声に出して車内で叫んだ。

すると、その声の持ち主は「なんだ、気の大きい奴だな。お前の方が強い」と言って、その声は消えた。
震えながら家路についた。
そんなとても恐ろしい経験をした。あれはなんだったのか？。

ある人は死神と言ったりするが、自分には受け入れられず、自分の中ではあの声は生霊か何かだと思うようにしている。
あの道の先には何があるのか。通った事はないが、インターネットで調べると山道だが結局は街中に戻る道だとわかった。
行きつけの美容院の人にこの話をすると、その道は土地の人が山に入ってキノコとかを取ったりするための道だと聞かされた。

今では夜にその道を車で通っても何の声もしないが、今でもドライブに行くときや帰るときは必ず通らなければならず、今でも通っている。

あれはなんだったのか？全く不明である。