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不思議体験

くたむさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

1Kには誰かが先に住んでいた?
短編 2021/08/27 19:26 978view

 社会人になって1人暮らしをし始めた。1Kで築が20年以上で、一部屋とキッチンにお風呂とトイレが別のよくある間取りだった。利点は駅から徒歩5分圏内でインターネット使用料無料だけだったが、それだけですぐに契約した。

 そこに引っ越した初日、引っ越し業者が作業を終えて帰ったのが夜8時だったので、荷解きも寝るのに不便がない程度だけで一旦終えて買っておいたコンビニパンとおにぎりでお腹を膨らませてシャワーを浴びて眠った。

 ここまでで終われば普通の日常だったのだが、夜、収納スペースから音がした。

 ガタッ、ガタガタッ

 それは明らかに何かが倒れる音だった。

 収納スペースには確かにタンスやキャリーケース、あとはコートなどをかけてあり荷物が入っていないことはないが、地震も起きていないし何かを積み上げてもおらず、そんな風に倒れる音がするのは不自然だった。

「何だろう?」

 私は恐る恐るベッドを下りて、収納の取っ手部分を掴み勢いよく開けてみた。暗いので電気を付けて中を念入りに確認したものの、鼠やゴキブリなどの存在も見つけられず首を傾げた。そんな少し不気味に思いながらも体は睡眠を求めていて、とりあえず寝ることにした。

 その日はそれで音は止んだのだが、それから、休日のみだけ、物音が鳴るようになっていた。さすがに、気持ち悪いので大家に相談して専門業者の人に調べてもらったが何もいなかったようだ。それには納得できなかったものの、彼らが嘘を言っているとは思えなかった。

 しかし、その翌日からパタリと音はならなくなり、2週間経っても音が鳴らなくなり、再度収納の中を見たが何もなかった。

 一体、何だったんだろう?

 その1週間後、ジブリで小人の少女の話を見た。

 それを見て思わず言葉が出てしまった。

「もしかしたら、住処を荒らしてしまったのかも。」

 と。

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