トンネル・吊り橋・ダム

なんだかんだで高2の春、俺はその山に向かった。

急な坂道、突如として現れる砂利道に苦戦した。
家を出て1時間ちょっと、まずはトンネルに到着した。
もちろんチェックのシャツを着て。

午前1時ごろだったし、当然怖いっちゃ怖いんだが、街灯もあるし意外にも2台くらい車通ったし、手形が着くことも無かった。
拍子抜けしたが次の目的地へ。

ダムは一番遠かったから後回し。
俺はじいちゃん世代に吊り橋の話を聞いて回った為、おおよその場所は把握できていた。
けっこうひどい砂利道にスクーターは悲鳴を上げていたが、この日の為に買ったんや、耐えてくれ。

で、吊り橋を無事見つけたんだ。

立ち入り禁止のフェンスと鉄条網を越えて、俺は吊り橋の方へ。

ちなみに有刺鉄線超える時は毛布みたいなのをかぶせて超えた。
なんかの映画で見た。
そんでも何か所か切ったけど…

吊り橋の長さはたぶん50mくらい。
懐中電灯程度では谷底まで照らせず高さまでは把握できなかったけど、体感50mくらい。

渡ろうと思ったが、風化して足場がほとんどなく、手すりみたいな部分が残っているだけだった。
さすがにこれでは渡れない。
まあ雰囲気だけは味わえたし良しとしよう。

俺はお次の目的地、ダムへと向かった。

既に3時を回っていた。

ダムにはちゃんと駐車場があって、そこは観光地っぽい装飾や公衆トイレもあった。
「夜間立ち入り禁止」の文字も書いてあった。

ダムを囲うようにコンクリートの足場があるのだが、その直径はかなり広い。
一部は入れない。

（ダム）←このカッコの部分だけ立ち入れる。
足場からダムを見下ろしてみた。

想像の10倍は高さがあった。
これは引きずり落されたら100%死ぬなあ、と思った。

特に何が起きることもなく、俺は対岸の足場に行ってみることに。
休憩中なのか違法駐車なのか放置車両なのかはわからないが、こっちには小さめのトラックが停まっていた。