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妖怪・言い伝え

RUNさんによる妖怪・言い伝えにまつわる怖い話の投稿です

伝説の通り変わり果てた同僚
短編 2021/08/12 18:57 540view
私は普段都会に住んでおり、時折夏休み等の休暇にお祖母ちゃんの家に遊びに行くことがありました。
お祖母ちゃんの家の近所には大きな山があり、登ると神社もあるとか。
私は特に興味はなく、登ったことはありませんでしたが、前の道だけは散歩で何度も通ったことがありました。
参拝者もそこそこいて、近所でも有名なようです。
田舎の地でしたが、シンボルにもなっていました。
怖い話も伝説として残っており、死者の霊が登って行くとか、死者の魂が迷わないようにと夜に明かりを灯しているとか言われていました。
お祖母ちゃんの家に行った時にはそんな話を聞くことが恒例化していました。
私は死者の霊という見えないものは信じていませんでした。

だんだんと歳を重ねるごとにお祖母ちゃんの家へ行くことは少なくなり、私も社会人になりました。
ある日、職場の同僚が突然、例の神社に修行に行くと言い出しました。
「神職の資格を取りたい。」と突然謎なことを言い出した同僚を皆は何かの冗談だと思っていました。

しかし、本当に数ヶ月後同僚は退職。
神社にこもり修行をし、本当に神職に就いた元同僚。
数年後に写真を見せてもらいましたが、変わり果てた姿となっていました。
無造作に伸びた髭、別人かと思うぐらい一気に増えた白髪。
その姿はまるで仙人のようでした。
「あの山に修行に行くと死者の霊に乗っ取られる。」
大人になった時、再び怖い話を耳にしました。
「そんなの嘘でしょ?」と信じようともしなかった私でしたが、余りにも変り果て、本当に死者のような姿になった元同僚の写真を見て嘘だと思うことはできませんでした。

田舎の地の小さな伝説。
信じる人も減っているような小話ですが、見た目が別人化して誰か分からなくなった元同僚の姿を見てあの時のお祖母ちゃんの話は本当だったということを改めて思い知らされました。
数年でここまで人が変わる。まるで何十年の年月が数年に短縮されたように。
未だに元同僚の身に何があったのかは不明です。
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