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ヒトコワ

臣さんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

全てを知る男
短編 2021/08/05 15:36 3,581view
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やっぱり怖いのは人だなと思った話です。

3年前、いきつけの喫茶店でいつものようにモーニングを楽しんでいた時でした。自分の座っている机の対面に「ここ、座ってもいいですか?」と80代くらいの男性(以下Aさん)が聞いてきました。私は「どうぞ」と返事を返しました。

スマホでニュースを見ていた時に、Aさんがまた声をかけてきました。
「あなたはこの店によく来るの?」
「はい、毎週来てますよ」
それを聞いたAさんは不思議にも喜んでいるように見えました。そこから会話が続き、Aさんのことがわかってきました。
Aさんは
・奥さんを若いときに亡くし、現在は一人暮らし
・子供は独立して地方に出ている。
・以前は人に会う仕事をしていた。

・趣味で喫茶店めぐりしている。
ごく普通の優しい方だと思ってました。

ここで引っかかったのは、人に会う仕事です。
普通「人に会う仕事」なんて使わないで「営業」「商売」などと使えばいいのに、なぜ「人に会う仕事」と言ったのでしょうか?
まあ、二度と会いそうではないので気にしないことにしました。

そして、次の週も喫茶店にモーニングを楽しみに行くと、Aさんが来ました。
ニコニコしながら話かけてきました。
「今日は時間つくれる?」
私は自分の時間を割くのが嫌だったので
「今日は少し用事があって・・・」

と濁しました。

すると、Aさんの目が突然変わって「今日中で時間を作ってくれないかな?」と言ってきました。
眼光の鋭さに少し驚きましたので、「1時間くらいならいいですよ」と答えました。
それから、指定された住所に来てほしいと言われ、メモを渡されました。

乗り気ではなかったのですが、言ったからには仕方がないと思い、約束の時間に指定の場所に行きました。
するとそこは普通の民家でしたが異様な空気が流れていました。

Aさんに言われ入ってみると中にはなんと10名くらいの人がいました。
いきなり「今日本は天罰を受けている。数珠をあげるから一緒に神になろう、○○(私の住所)に住んでいる臣さん、ご家族もきっとそれを望んでいますよ」などと言われました。どうして私の住所を知っているのかとても怖くなりました。家族構成も知っているようです。

しかし間違いなく怪しい宗教だったので「これ以上、話をするつもりはないし、自分を拘束するなら警察に連絡する」と言ってやりました。
その後も半ば脅しのようなことを言われましたが、結局警察を呼び事なきを得ました。

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