私と一緒に監視カメラに写ったもの

自分は昔、ビルメンテナンスの仕事をしていたことがありました。実はこの業界、怖い話がそこそこあります。
当時自分が勤めていたのはいろんな企業が入る大きなビル。現場の仕事としては空調管理、電圧が正常に動いているかなどをチェックすることが仕事です。
それ以外は管理室で日報を打ったりと事務仕事をこなす毎日でした。日勤、夜勤の交代制で勤務をしていたある日、それは起こりました。

いつものようにビルに誰も居てないことを確認し、電圧メーターの目視確認、安全装置の保守業務をしているときでした。
無線から連絡が入り「今、どこに居てる？」
と言われたので「今7階のキュービクルを点検しているところです」
と報告しました。

すると、「10階の非常口の扉が開いたままなので、閉めてきてもらえるか？」
と言ってきたので、「了解です。見てきます」と応答。
すぐに10階に急行しました。現場を確認すると確かに扉が開いてました。施錠を確認し、無線で完了報告を行いました。
そして7階に戻って10分後くらいに無線が入りました。
「今、どこに居てる？」
「7階に戻り作業をしているところです。」
「10階の水道メーターが以上に触れてるんだけど、見てきてくれない？」

さすがに仕事が進まなかったので、「自分の仕事を終わらせたいので他の人に見てきてもらったらダメですか？」と言いました。
すると、「うーん、今誰も居てないんだよね。ビールおごるからお願い！」
などと子供だましのようなお願いをされました。

渋々、10階に向かい確認したところ、男子トイレと女子トイレの手洗い場の水が出しっぱなしでした。ここの蛇口はセンサーで感知するので閉め忘れはないはずなので、センサーの故障だと思い、修理報告書に記載して管理室から本部に申し送りすることにしました。
そして、一通り作業が終わり管理室に戻った矢先、「大丈夫だった？」と言われました。
「大丈夫でした。おそらくセンサーが壊れていたんでしょう。」
と答えると管理室にあるモニター前に案内されました。
何だろうと思い、モニターを見ると10階のトイレを確認している私が写っていたのですが、その後ろに人影が2人写ってました。そして、トイレの中に私と2人の人影が入っていったのです。自分は当時何も気づきませんでした。
トイレから出るときも誰もいないことを確認したはずなのに・・・。