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心霊

yumyさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

使ってはいけない階段を使ってしまった私
短編 2021/08/01 19:53 358view
これは介護施設で働いていた時のこと。
三階建ての建物にはエレベーターもありましたが、階段も三箇所あり、そのうちのひとつは使ってはいけない階段として職員たちの間では囁かれていました。

介護施設では、基本的に階段は入居者が使って事故が起きないようにドアがあり、簡単には開けられないようなっています。
私たちは基本エレベーターを使わないのが原則なので、階段を使うのですが、そのうちのひとつにはある噂があったのです。

それは、その階段を使ったら脚をつかまれるというもの。夜勤などがある職場ではこのような怖い話はよくあることなので、私はあまり本気にはしていませんでしたが、使うなと言われていたので、しばらくは使ったことがありませんでした。
見回りなどをするときも、階段をみるだけに留めていましたし、掃除もしなくていいとまで言われていたのです。それでも、その階段を使った方が効率がいいと思うこともあり、うわさなんてどうでもいいやと思い、使うことにしたのです。

しかし、やっぱりあんなのはただの噂。足を掴まれることなんてなく、私は以降もこっそりと階段を使っていたんです。

その階段を使ったある日、「ねぇ」とその階段をあがっているときに声をかけられました。使っていることがバレたとぎょっとしたのですが、誰も周りにはいません。
おかしいなと思った瞬間、足をギュっと掴まれる感覚があり、「え?」と思い視線を落とすと、ニヤニヤと満面の笑みの男性の顔が足元にあったんです。
怖くて怖くて声も出ず、その男性の顔から目が離せない。何とかしないとと思っていると、足元から崩れ落ちる感覚に襲われ、そのまま階段から転げ落ちてしまったんです。

物音に気づいた職員が駆けつけた時には男性の顔は消えていました。「この階段使ったの?!」と責められましたが、私はつかまれたことは内緒にして、足を踏み外したとだけ伝えましたが、この一件から本格的に階段は封鎖され、完全に使われなくなりました。
私は自分の不注意なのになんて笑ってごまかしていましたが、もちろんそれ以降その階段を使うことはありませんでした。
掴まれた足にはくっきりと手の形の痣があり、しばらくはとれなかったんですから。
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