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和心さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

意外な事故物件にまつわる怖い話
短編 2021/07/29 22:51 2,311view

これは、なぜか繰り返し事件や事故、そして不可解な現象が発生している部屋の隣室に住んでいる友人が体験した怖い話です。

今から2年前、友人のAくんが深夜営業の飲食店に転職しました。
その飲食店は深夜3時までの営業だったため、採用が決まってから直ぐに店近くのアパートを探しはじめました。

店は中心街にあり、近隣に住むとなると家賃相場が高めで、なかなか予算内では見つかりません。
しかし、1件だけ家賃設定が低めのアパートがあると、不動産会社から紹介されました。
そこは家賃だけではなく立地も間取りも良い条件だったので、直ぐに内覧をお願いしたそうです。

そして現地に行ったのですが、どことなく物件自体の雰囲気が気持ち悪いというか、なんとも言えない感じがあったようです。
しかし予算内に収まるのがこのアパートだけだった為、きっと古めのアパートだからそう見えただけ、事故物件なんかじゃない、気のせいだと自分に言い聞かせ、Aくんはそこに住むことにしました。

引っ越して1年ほど経ったある日のこと。
朝方、家で寝ていたところ、ピンポーンとインターフォンが鳴りました。

Aくんは眠かったので最初は無視したそうですが、2回目のインターフォンが鳴り仕方なく出たところ警察官2人が立っていて驚きます。
話を聞くと、隣に住む30代の女性が行方不明となり捜査中とのこと。
部屋には血痕の跡があり、事件に巻き込まれた可能性があると…。

話を聞きゾッとするものの、ご近所付き合いなど一切なく隣人も例外ではないことを警察官に伝えると、次に「この男に見覚えはありませんか?」と、ある男の写真を見せられたそうです。
その男も見たことがありませんと伝え、警察官2人の聞き込みは終わったものの、隣の部屋で恐ろしい事件があったのではと思うと二度寝する事もできず、怖い気持ちを持ちながら数日過ごすことになります。

後日、隣に住んでいた女性の遺体が山奥で見つかり、警察に見せられたものと全く同じ男の写真と共に「殺人事件」としてニュースで取り扱われました。
犯人は殺された女性の元彼でした。
元彼は合鍵を使い、部屋の中で待ち伏せしたのち、何も知らず帰宅した女性を背後から襲い口元を覆ったまま刺し殺した為、周りに住んでいる住人はAくん含め誰一人気付かなかったそうです…。

女性は隣の部屋で殺された後、死体は車で運ばれ山奥へ遺棄されたとニュースで知ることになります。
Aくんは「もしその時、玄関前で鉢合わせしていたら自分も殺されていたかもしれない」と恐怖で戦慄いたそうです。とにかく隣室は立派な事故物件となったわけです。

しかしこの事件が起きた部屋には、もう一つ特殊な点がありました。
実はその部屋では、数年前にも首吊り自殺で人が亡くなっていたのです。
「ニュースでやっている殺人事件が自分の住んでいる隣の部屋で行われた」
という事実を、Aくんは勤務先にいるオカルト好きな従業員に話したところ、この事実を教えてくれたそうです。

首吊り自殺があった後、物件名は変更され、部屋はリノベーションされていました。
隣の部屋での事件事故について物件契約時に告知する義務は無い為、Aくんはその時はじめて隣が元々事故物件だったという事実を知ったそうです。

数年の間に同じ部屋で行われた自殺と殺人事件。
果たしてこれは偶然の一致なのか…?

自殺、殺人事件と続いた隣室は、空室になりました。
しかし時折、誰もいないはずの隣室から「カリカリカリ…」と壁を引っ掻くような音が聞こえるという不可解な現象が発生しているようです。
直接的な実害は無いにせよ怖いので、Aくんは引っ越しを考えているとのこと。

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コメント(1)
  • 知らないで事故物件に住んでいた、なんて怖すぎ。

    2023/09/12/06:01

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