奇々怪々 お知らせ
           
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不思議体験

何かと会話する女
短編 2021/04/08 18:56 279view
仕事が遅くなり、11時という終電近い時間になってしまった私は階段に近いベンチに座り、スマホをいじっていました。乗り換えのできる駅なのですがあまり大きな駅ではなく、夜であればほとんど人がいないことも珍しくない駅です。待ち時間も20分と長めです。その時も私ひとりでしたが、ふと気が付くと若い女がスマホで誰かと話していました。こんな時間に珍しいなと思いましたが、雰囲気などに別におかしなところはなく、その時は何も思いませんでした。
電車が遅いな、と思ったのはスマホをいじってある程度時間が経った頃でした。いつもいくつか巡回しているサイトを見終わったら電車が来たのに、その日は全然来る気配がなかったのです。体感では30分くらいたっている気がしました。時計を見れば11時を指しています。単純に壊れたのかな、と思いました。
スマホをいじっているのに少し飽きた私は盗み聞きというほどではないのですが女の会話に少し耳を澄ませてみました。
今から行く、すぐ行く、待っていて、そのような内容でした。女はなん十分も会話してるのにも関わらず同じような内容のことを繰り返しています。ですが私は何も不思議には思いませんでした。
そうしていると電車が来ました。女がすっと電車に乗り込みます。ようやくか、そう思って続きました。ほどなくして、電車が発車します、という子供の声がして電車が発車しそうになったとき、ラインの通知音がしました。ふと気が付けば女の顔は目の前にありました。顔は年老いた女性の顔でものすごい形相をしています。それに、スマホなど持っていませんでした。私はぞっとしてスマホを取り落とし、それを気にせず急いで電車を降りました。
電車が走り去っていきました。黒塗りの電車でどうみてもJRのものではありません。なぜ私は電車に疑問を持たずに乗ってしまったのでしょうか。女は顔を窓にはりつかせ、じーっと私の方を向いていました。私は恐ろしくなり、その場を急いで逃げ出し、駅を出て適当なホテルに泊まりました。
あの電車に乗っていればどうなっていたのでしょうか?あの女は何で私はなぜ目を付けられたのでしょうか?心当たりはいまだにありません。
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