奇々怪々 お知らせ
           
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心霊

キスマーク。
中編 2021/04/08 08:17 868view
若い頃のアルバイト先で出会った青年がいる。
今語れば「青年」となるが、当時は同い年に近かったから「友人」と呼べばいいのか。
そのY君にまつわる不思議な話。

駐車場の車両誘導のアルバイトをしていた。
職種としては「警備員」だが、その会社は駐車場に特化していた。
勤務も楽で休憩も多いので良い職場だった。
毎日5~8人で大きな駐車場で車両誘導するだけ、人数が多いので休憩も取れる。

Y君と同じシフトで駐車場にいた時のことだ。
首筋にキスマークがあった。
強く吸われたのであろう、結構くっきりと残っていた。

「お、Y君もモテモテだな」
「え、何のことですか?」
Y君はちょっとキョドって答えた。
「首筋にキスマークがあるぞ(笑)」
「ち、違いますっ!」
「いや、ソレはキスマークだ」
「違うんです、自分で付けたんですっ」
「どうやったら自分の首筋にセルフでキスマークを付けられるんだよ(笑)」
「ホースで、ホースを咥えて、こうやって吸ったんですっ!」

Y君はジェスチャーを交えながら力説する。
なんでそこまでして隠すんだ?
恋人がいるなんて、仲間内でも「上位カースト」だろうに。

またある日は、ロッカールームでの着替え中にY君の背中に引っかき傷が。

「Y、背中に引っかき傷とか随分と激しい彼女なんだな(笑)」
「違います、従妹がやったんです」
「従妹と裸で一緒にいたなんて話の方がヤバいぞ」
「違います、猫です猫っ!」

私は手指で引っ掻く形を作ってY君に見せてから言った。
「爪、指先がこんなに離れてる猫っているのか?」
Y君は急に青ざめて、慌てて着替えをしてロッカールームを出ていった。
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