奇々怪々 お知らせ
           
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不思議体験

誰もいない場所に向かって「みんな、撮るよー」
短編 2021/04/07 12:28 241view
妹のA美が5歳で、私が10歳の時の話しです。
A美は5歳の誕生日の時に、プレゼントで、おもちゃのカメラを買ってもらいました。
そのカメラはおもちゃではあるものの、ちゃんと撮れて、しっかり写るので、A美はとても気に入っており、どこに行くにもカメラを持ち歩いていたのです。

A美と私で、ペットの犬を散歩させていた時のこと。
その日もA美はカメラを持っていて、散歩で立ち寄った公園で、「おーい、みんな撮るよー」と声をかけてから写真を撮りました。
でも、時刻はもう17時を回っており、その時、公園には私とA美とペットの犬以外、誰もいなかったのです。

「A美、誰もいないじゃん。みんなって誰?」
「え?なんで?いたよ、さっきまで」

いないよ、いたよ、と、しばらくA美と言いあっていましたが、ふと、「A美がさっき撮った写真を見れば、A美も、誰もいないことに気づくだろう」と思ったのです。
そこで、A美に「さっき撮った写真を見せて」と言って、カメラの画面に写真を表示させたら…。
人は写っていませんが、白い玉はいくつも写り込んでいました。

子供ながらに「やばい」と思った私は、「もう遅いから早く家に帰ろう」と、半ば無理やりA美を引っ張って帰りました。
そして、両親に事情を話し、A美が寝ている間に気味の悪い写真をこっそり削除してもらったのです。

A美は消えた写真に不思議そうにしていましたが、「データがバグって、勝手に消えちゃったんじゃない?」と言って、誤魔化しました。
あの日以来、A美にも私にも、誰にも怖いことは起きていません。
未だにあの時のことは恐怖とともに鮮明に覚えていて、思い出しては身震いします。
A美本人も、今では、「どうしてあの時、みんな撮るよーって掛け声かけたんだろう」と、不思議がっています。

A美はあの時、何を見たのでしょうか。
そして、あの白い玉は何だったのでしょうか。
もしかしたら、あの時、あの場所には、見えない何かが本当にいたのかもしれません。
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