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不思議体験

橘さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

霊に取りつかれた時の状態
短編 2021/04/02 19:58 1,312view

これは亡くなった大正生まれの祖母が40歳前後の体験談です。

家庭と会社のことで、思い悩み苦しみ、しょっちゅう自殺出来ればどんなに楽か…とか思い詰めていたある日のこと。
最寄り駅から降りてまっすぐ2分程歩くと、どんつきに池があり、池の周りは、転落防止と飛び込まないように等の安全対策のための柵で囲まれています。

それが、その日に限って、真っすぐ歩いたら池があるのに、一本の道が新しく出来ているように見えたそうです。
「いつの間に道が出来たのだろうか!?いや、実は元々あったか!?」と不審に思いながらも、「見慣れない道だけれど、そこを歩いてみるか」とフッと思い、その道を進みかけました。
しかし、「いや、やっぱり変だ!?」とすぐさま思い、ハッとして、「これは、もしかしたら、キツネか何かに化かされているのでは!?」と強く疑いを持った途端に、自分が、何か大きな風船のようなものの中に居てる感覚が分かり、その風船が、「パンッ」を針で刺して割れたような音とともに、その風船の外へ出られて、元の現実世界とでもいうのか、正気に戻ることが出来たそうです。

我に戻った時、自分の立ち位置がどんな状態でいたか…。なんと、恐るべきことに、その池の柵を途中までよじ登っていたのだそうです。風船みたいな中に居てた時は、ただ、真っすぐ本来あるはずもない道を歩きかけていただけなのに、本当の現実では、柵をよじ登っていたのです。
もし気づくのがもっと遅かったら、柵を乗り越えて身投げ、発見が遅かったら自殺で死亡か、自殺未遂だったか…。

この話を時折、聞いていました。本人も私も怖い話だと感じていて、これが、俗にいう、”死神に取り憑かれる状態”というのだろうと話をしていました。
何故、若い頃の祖母が気づいたかというと、祖母の田舎では、山へ入ったものの、キツネに化かされて同じ道をグルグルと歩いていたという不思議な話を聞いていたので、もしや!!?と思ったのだそうです。また、この実話を聴いて思ったのは、なぜこんな風に突然死んだのか!?というようなことは、この様にあるはずもない道が出来ていて、そこを誤って歩いて死んでしまったとか、霊の仕業があるのかも…ということと、心に霊に付け居られる隙があったら、人生を棒にふり、最悪、不審死をするのでは!?と思わされました。極大なストレスと負のエネルギーが充満していたら、もっと大変な目に合う確率が高くなるのだなあ…と思いました。

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