奇々怪々 お知らせ
           
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意味怖(意味がわかると怖い話)

樹日記。
長編 2021/03/28 02:53 3,860view
4月1日
最近、些細なことを忘れてしまうことが多いような気がする。
備忘録も兼ねて日記をしたためることにした。
「樹日記」は「いつきにっき」と読む。
逞しく枝を張り巡らせる大樹のように私は生きたいから。
ごく私的な記録ではあるが、誰かに読まれることを想定して書くことにした。
読まれるから。
備忘録なら箇条書きでいいんだ。読まれるからちゃんと書く。
一言一句間違えないように書くのは読まれるからだ。

さて、今日は特に何もない日だった。
スーパーで妻が買ってきたはずの鮭の切り身が無かったぐらいだ。
もう食べてしまったのであろう。


4月3日
日記帳を買い替えた。
前の日記帳はノートの体裁で鍵が無い。
読まれて困るようなことは書かないが、読んで欲しいわけでもない。
この日記帳は気に入った。
鍵をかければ簡単には読まれないから。
表紙にパソコンでデザインした「樹日記」のロゴを貼り付けた。
どこから見ても「日記帳」であるが、中身を読めないだろうことにある種の優越感を覚える。
同居の母も姉も読みたいはずだ。

今日、隣の奥さんと世間話をした。
そう言えば隣の息子さんは東京の大学で元気でやってるだろうか?
そんな話に終始してしまったのがいけなかったのか、隣の奥さんは早々に玄関に入っていった。


4月5日
日記を読み返していたら4月2日の分が無かった。
書き忘れたのだろうか?
大事なことを書いた気がするが、古い日記帳は庭で燃やしてしまった。
捨てだけでは読まれるから燃やすしかなかった。
ついでに妻が着なくなった衣類も燃やした。
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記事編集(作者用) 作者プロフィール
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コメント(2)
  • 真一君😰

    2021/03/28/20:34
  • 気が狂うことの「疑似体験」をしたので、その過程を作品にしました。
    僅かな齟齬感の蓄積が破局につながることを知りました。

    山子

    2021/04/04/12:31