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意味怖(意味がわかると怖い話)

ニジマスと数珠
短編 2021/03/26 22:48 1,161view
幼いころは山里の村で過ごしていた。
同じくらいの歳の子供が村には殆どいなかったので、
1人遊びをすることが多かった。
山で山菜を採ったり、川で魚を釣ったり。

夏の日、私は魚を釣りに川に行った。
だが、まったく釣れなくて、場所を変えてみようと
日頃は行かない場所へ行ってみることにした。
そこは山裾というか崖下というか、
切り立った崖下の場所で、足場も悪く、
陽ざしもあまり入ってこなくて陰気で、
流れがよどんで渕になっている、
普段はあまり近寄らない場所だった。
ところが行ってみると、その日のその場所には
魚が大群で泳いでいた。いつもはそんなことはないのに。
興奮しながら釣り針を投げ入れると、
面白いほどに入れ食いで、何匹も釣りあげた。
ニジマスだった。
その川でニジマスは珍しかったが、どこかで釣り大会でもあって
漁協が放流したものが残って集まってきたのだろう。
夢中になって釣りまくった。

だが途中で急に竿が重くなった。
なんだか何かに引っかかったようだった。
強引に竿を引くと、針に引っかかって浮き上がってきたのは
ハンドバックだった。女性物の。

私はバカだった。
「お、財布とか入ってたらラッキー」
くらいにしか考えず、ハンドバックを開いた。
中にはただ、数珠が一個入っていただけだった。

私は大バカだった。
深く考えずに、魚とともに数珠を持って家に帰った。
祖父や祖母は、最初は孫の大漁を喜び褒めてくれた。
しかし「坊さんゴッコ~」とか言いながら
数珠を振り回している私を見て、
「あんた、ナニを持ってるの。え、なんで数珠?」
となり、経過を聞いた祖父がメチャクチャ怒り出した。
「捨ててこい!」と。
ニジマスも纏めて一緒に。
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関連タグ: #事故物件#山
記事編集(作者用) 作者プロフィール
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コメント(1)
  • そこは「捨ててこい!」じゃなくて慌てて地元の青年団に連絡したり、急いで警察に電話するところじゃ・・・

    2021/03/28/11:00