何度も私の名前を呼ぶ声

これは私が中学2年生のころに体験した話です。
私は家の和室で一人で眠りにつこうとしていました。その時、遠くから声が聞こえてくる感じがしました。
よく耳をすませると私の名前を呼んでいました。
別の部屋で、兄と母親が今度の兄の修学旅行の準備をしていたので私は母と兄に呼ばれたと思い、起き上がり母と兄のもとへと行きました。
私は「呼んだ？」と母と兄に尋ねました。そうすると、母と兄はポカーンとした顔をして「呼んでないよ」と言いました。
私は二人が私を怖がらせようとして嘘をついているのだと思い何度も尋ねました。ですが、二人は「忙しいから後にして」といいました。
私は二人のことを疑いながら眠りにつくことにしました。

次の日の朝、朝ご飯を食べているときに私はもう一度、母と兄に尋ねました。やはり、母と兄は私のことを呼んでおらず、父もそんな声は聞こえなかったといいました。私は、勘違いだと思い、気にせず忘れることにしました。

何日か経った後に、また同じ和室で寝ようとしたとき、前と同じように私の名前を呼ぶ声がしました。ですが、今回は隣で母は寝ているし、兄も友達の家に泊まりに行っており、父は出張で家にいませんでした。怖くなった私は母を起こしました。母は「気のせいだから寝なさい」と言いました。

どうしても不思議に思った私は、次の日に学校で友達にこの話をしました。皆、この話を馬鹿にして真剣に聞いてくれませんでした。
帰ってくる答えは「気のせいじゃない？」「疲れてるんだろう」という私の期待する答えではありませんでした。
授業中もずっとこのことを考えていました。私は、この前、金縛りにあったという話をしていた友達がいたことを思い出しました。その友達に一連の流れを話したところ興味を持ってくれました。

二人で疑問に思いながら様々なことを話しているときに友達が「もしお化けだとしたらなんで名前を知っているんだろうね」と言いました。確かに、なぜ名前を知っているのか、なぜ私の名前を呼ぶのか疑問がどんどんと思い浮かびました。声の主は亡くなった私の親族ではないかという結論になりました。
確かに名前を呼ばれ怖い気持ちはありましたが、どこか聞き覚えのある懐かしい声でもある気がしました。友達は金縛りから解放されており、解決策を相談したところ寝る場所を変えたと言っていました。なので私も寝る場所を変えてみました。その効果が出たのかは分かりませんが声が聞こえることはありませんでした。今でも声の主は謎のままです。