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不思議体験

ぴさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

嵐のような風の日に
長編 2023/03/18 18:17 3,784view

まるで嵐のように強い風が吹く日でした。

ビュービューとうるさく風が鳴り、家の中にいても驚くほどうるさい音がしていました。

「天気予報では何も言っていなかったのに、最近の予報はあてにならないね」なんて朝から家族と話したところでした。

休日で、父と母と姉はそれぞれ予定があり、お昼を過ぎてから家を空けました。

風が強いので気を付けてねと送り出し、こうして家には私一人が残ったのです。

外はビュービューうるさいし、外出する気になれず、私は家でゴロゴロとスマホでゲームをしていました。

そんなときに、家の電話が鳴ったのでした。

きっといつもの売り込みの電話でもかかってきたのだろうと思って、気軽に電話に出ました。

しかし出たはいいけど、相手がうんともすんとも言いません。

悪質な無言電話かと思って電話を切ろうとしました。

そしたら向こうから落ち着いた声で「佐藤さんですか?」と聞かれたのです。

私の名前は斎藤です。

佐藤と斎藤で似てはいたのですが、どうやら別のお宅と間違えたらしかったです。

だから「うちは斎藤です。」と答えました。

そしたら向こうは「すみません。間違えました。」と言って電話を切ったのでした。

間違え電話なんてたまにあることだったので、特に気にせずにまたゲームに没頭しました。

そしたらしばらくしてまた電話が鳴ったのです。

私は面倒に感じながら電話に出ました。

「もしもし」と私がいいますが、二度目の電話もまた無言電話なのです。

またかと思って電話を切ろうとしたら、「待ってください」と絶妙なタイミングで、電話を切るのを止められました。

そして「佐藤さんのお宅ですか?」と聞かれたのです。

思わず眉間に皺が寄りました。

さっきも同じように佐藤さんへの間違い電話を受けたばかりです。

そして違いますと伝えたはずなのです。

最初は同じ人だと思ってしまいました。

けれどその人と話していると、最初の電話の人とはまた別の声だと気が付きました。

なんで佐藤さんへの電話がうちにかかってくるのかさっぱり分かりませんでした。

とりあえず前の人と同様に違う家だと伝えました。

そしたら向こうは謝りながら電話を切りました。

さすがに間違い電話が短時間に二度も続くと、なんだかもやもやするものがあります。

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