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心霊

Neffy6さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

母はいつも心配だよね
短編 2023/03/13 13:49 778view

あれ?お母さん大丈夫?

その日母は体調悪そうに居間の壁にもたれかかって座っていた。顔は血の気が引いた土気色。呼びかけに少しだけ反応したくらい。

母はいつもあて名書きなどの内職をしていて夜遅くまで居間で仕事をしていることがいつもであった。前日に少し早めに帰ってきた母はちょっと体調悪いと言って、早めに寝ていた。

珍しいなと思いながらその日は私も眠りについた。翌朝に先ほどの体調の悪い母を目にして、さすがにこれは病院に連れて行ったほうがいいだろうと思った。すぐに近所に住む兄に連絡してきてもらいました。

じゃあ、病院に行くからと言って母に着替えるようにと言った。母が別部屋によろめきながら着替えに行った。10分、15分、20分過ぎても来ない?おかしい、お母さん着替えたの?と部屋に入ると母はうつ伏せに倒れていた、訳が分からず、心臓マッサージして救急車を待った。

母は治療の甲斐もなく天国へ行った。雪つもる寒い日だった。翌日通夜、翌々日に葬儀を終え、家に父と兄と姉と私が母の遺影の前で労をねぎらっていた。

とても厳しい母だったので、父が冗談まじりにちょっとホッとしたと言った言葉に皆爆笑した。その瞬間、けたたましい音が鳴り響く。我が家は昔、大学寮をしていて2階は学生のための部屋だった。1階と2階は完全に分かれていて外階段でなければ2階に行くことはできなかった。しかも学生寮はもう5年やってなくて2階は誰も住んでいない。

その2階から火災報知器が作動して“ジリリリリーン”、みな“え?”なんで?その音の直後2階の廊下を歩く足音が“ギシギシギシ”、しばらく4人で顔を見合わせて黙る。もしかしたら、誰かが入り込んだのかも?

懐中電灯を手に兄と私は外の2階へ行く階段を駆け上がっていく、ドアには鍵がかかっていたまま。合鍵であけて中に入る。そこは誰かが入った形跡が全くない、まじかよ!2階には10部屋あったのですべて見て回ったが誰かがいたという感じもなにもない。

確認が終わって、鍵を閉めて父と姉のもとへ戻る。誰もいないことを伝えた。父はごめん、ホッとしたなんて言って、と手を合わせて天国の母に謝った姿をみて笑った。

1年後、1周忌法要を済ませて、居間で4人でゆっくりしていた。もう1年か早いなって、もう数年たっていたかのように去年の葬儀を懐かしんでいた、その時、また火災報知機の音が鳴り響く。

あの後も2階はだれも入っていない。そして、また誰かが歩く音がしていた、前回とは違って私たちは“来たかな?”って言った。

一応、また私と兄で2階に確認しに行く。誰もいない確認じゃなく、母がまた来たのかなっていう確認であった。ドアを開けて兄は“お帰り、心配しないでね”と言って扉を閉めた。

その後に母が私たちに私がいるよってアピールはなくなりました、怖かったのは母が生きて私たちに説教をしていた時、幽霊として出たとしてもそれはもう怖い母じゃなく、優しい母の面影だった。

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