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呪い・祟り

ぴさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

お局様の末路
長編 2023/03/03 20:44 9,993view
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私の職場には陰険なお局様がいました。

どうやら私はその人に気に入られていなかったらしく、普段から私への当たりはきつかったです。

掃除後にここの掃除が甘いと難癖付けられやり直しをさせられたり、手が空いているからって自分の仕事をどんどん押し付けてきたりなんて日常茶飯事。

たまに私がやっていた仕事の資料を隠されたり、社内で根も葉もない悪い噂を流されたり、何もしていないのにいきなり怒鳴り散らされるなんてとんでもないこともよくされました。

もう本当にその人にはストレスをかけられっぱなしで、お局様を原因に仕事を辞めることも本気で考えていました。

だから最初はお局様のことで悩むあまり、自分がおかしくなったと思いました。

なぜならある日を境に、お局様の後ろに黒い影が見えるようになったからです。

最初気づいたときは目を何度も擦って、自分は大丈夫かと心配になりました。

なんだかお局様の後ろにもやがかかったような黒いものが見えるのです。

私は自分がどうかしてしまったと思っていました。

職場の同僚にさりげなく聞いてみたけど、誰一人として私が見えるような黒い影が見えるという人はいませんでした。

でも私には確かに見えます。

お局様の後ろに誰かいるような黒い影がついて回るのです。

職場にいても、職場の外にいても、お局様の後ろには絶対に何かがいました。

だから怖くて、より近づきたくないという気持ちが強くなりました。

お局様がいるとわざとぱっと目線を下げて見ないようにしたし、なるべく怖いものを見たくなくて避けるようにお局様がいたら遠回りすることもありました。

それがどうやらお局様には私が自分に怖がってびくびくしているように見えたようで、なぜかご満悦そうな顔をするようになりました。

そんな彼女の態度なんてどうでもいいくらい、私はお局様の後ろの影が怖かったです。

黒い靄は日に日に少しずつ大きくなっていったし、まるでお局様を取りこもうとするくらいの大きさまで成長しました。

そうなってくると、お局様の様子もおかしくて、毎日「頭痛がする」とか「肩が痛い」とか頻繁に体調の異変を口にするようになりました。

私はきっとアレのせいだろうなと内心思いましたが、口にはしませんでした。

お局様が信じてくれるわけがないと思ったからです。

しつこく影が…と余計なことを言っても、あのヒステリックな調子で責められそうにしか思えなかったです。

そして気持ち悪い影とともに過ごしてきて、2か月くらい経ったとき、急にお局様が仕事を休みました。

2日くらい有休をとって休んだのです。

職場はいつもと違い穏やかで、みんなほっとしているように見えました。

そんな中、私だけは落ち着かなかったです。

あの影の影響だと思ったし、このまま見て見ぬふりしてもいいのかと不安になりました。

そしてもやもやしていたら、お局様が2日ぶりに職場に復帰したのです。

仕事復帰したお局様は朝から顔色が悪かったです。

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コメント(3)
  • 無言で神社の連絡先を渡されたら、普通は困惑するよ。
    せめて一言添えるか、お祓いを受けたいならと書き添えないと。

    2023/03/28/10:20
  • まあ、自業自得だろうね。
    誰かが呪いをかけたんだろう

    2023/05/18/21:03
  • 周りに当たり散らして方々から恨みを買うような事をしていると、やっぱりロクなことにはならないですね…

    2023/09/13/04:40

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