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赤砂さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

事故物件築浅アパート体験レポート
短編 2021/03/06 17:35 2,721view

西暦2020年の時の話です。

私の親戚の子が体験した事故物件での恐怖体験です。
親戚の子は就職してすぐに一人暮らしを始めました。
聞いたこともない賃貸物件仲介業者に紹介された、一軒家の中に5個独立した部屋があるタイプのアパートです。
まず最初に私が違和感を抱いたのは、その賃貸物件をニ年以内に契約解除した場合、2ヶ月分の家賃、つまりその子の場合は約14万円も払うと言う契約内容でした。

次に不思議に思ったのは、その子のアパートに遊びに行く時電車を利用したのですが、駅にポツンとコンビニだけあるだけで、そこから徒歩5分かかるアパートまでの道のりで、建物が無かったのです。
家もアパートもマンションも無かったのです。都市部のすぐ近くなのにです。
たくさんの駐車場や、空いた土地ばかりが続いていました。
辿り着いたアパートは、ベランダが無いものの、それぞれ部屋がしっかり分けられていて、築浅の綺麗なアパートでした。
その後親戚の子がアパートで一人暮らしを始めて1ヶ月過ぎた頃、
ある日の夜大きな音がして目を覚まし、外を見てみると、警察のパトカーと救急車が来ていたそうです。

その後隣の部屋の人が亡くなったそうで、その子の部屋は隣だったため、警察の簡単な取り調べがあったそうです。
そして分かったのは、隣室の人が自殺をしたと言うことでした。
その3ヶ月後、次は2つ隣の部屋の人も自殺したそうです。
たった一年の間になんと自殺が2件もおき、その後築浅物件が都市部近くなのにとても割安で出ていたためか、入居者がそれぞれ自殺があった事故物件のお部屋に入ったそうですが、すぐに退去し、その二つの部屋はテープまで貼られて、扉を開かないように閉鎖されたそうです。
親戚の子曰く、閉鎖した理由ははっきりとは分からないそうです。
そして、とうとうその子の部屋でも異変が起き始めました。
寝ているとよく金縛りに合うようになりました。
そしてその後、うっすらと何か空気が揺らめくような存在を感じるようになったそうです。
そんな日が続き、とうとう朝起きたら、うっすらと人の様な気配がしてそちらをみると部屋の隅で、髪の長い青白い顔の女性が、立った状態でその子の顔を見下ろしていたそうです。
当時その子はお金が無く違約金が払えないため、恐怖を感じながらもそのアパートに住み続けていました。
そしてその女性の霊はどんどんその姿がはっきり見えるようになってきたそうです。

見下ろしてくるのをはっきり視てしまってからは毎朝、起きるとどんどん距離が近くなっていき、布団の中にまで入ってくるようになったそうです。
さすがに身の危険を感じて恐ろしくなり、近くのお寺でお祓いをしてもらうことにしました。
その時そのお寺の住職の方が、
「あそこの土地は良くないから、すぐにアパートを出た方がいい」
と助言してくださったそうです。
あの土地が「よく無い土地」と言う事は、その土地近くに暮らしている人にとっては常識だったようで、その事を知らない、若いアパート経営者がその土地にアパートを作ってしまったようでした。
その子は引っ越してから、いつも腰も肩も重くて痛いと言っていました。
近くのお寺にお祓いに行ってからは少しマシになったと言っていました。
当時お金のなかったその子は私からお金を借りて、
2年以内に退去してしまった場合の違約金を払いその恐ろしいアパートを出ました。
自殺者が出て、心霊現象が起きやすいという「よくない土地」というものが本当にあるのだと知りました。

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