奇々怪々 お知らせ

不思議体験

takeさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

IF
長編 2023/02/28 12:09 6,752view
0

妹が高校生のときの話です。
彼女が通っていたのは女子高でした。

ひとクラス30〜40人ほどで、その中で5人から8人のグループができていました。
特にグループ同士、険悪な仲というわけではありません。

グループ内の友達とは深く付き合い、それ以外の子とは、
さらっと当たり障りなく付き合う、そんな感じだったようです。

ただ、頻繁に別グループの子と話したり、遊びに行ったりと、
あまり親しくし過ぎたりすると、ちくりと嫌味を言われたりするそうで……。

妹は性格上『面倒くさいな』と、思っていたそうですが、
楽しい高校生活を滞りなく送るためには、要領の良さも必要です。

とりあえず、ひとつのグループに所属して、
目をつけられない程度に、よそのグループの子とも交流していました。

そんな高校生活2年目の夏休み明けに、妹のクラスに転校生が入ってきました。
ショートヘアで色白、小柄で地味な顔立ちの女の子です。
「山本、里緒(りお、仮名)です……よろしくお願いします」
緊張しているのか、簡潔に名前だけをいう自己紹介をして、ぺこりと頭を下げました。

クラスメイトたちが拍手する中、妹はみぞおちがヒヤリとする感覚を覚えていました。
(この子……なんか憑いてる?)

転校生と重なるようにぼんやりとした人影が、彼女と同じ動きをしていたのです。
でも、誰も『それ』に反応しません。

『それ』が見えているのは、その教室の中で、妹だけだからです。
妹は人には見えない不思議なものを見たり感じたりする『霊感体質』です。

転校生をどこのグループに引き入れるのか?
休み時間にさっそく山本さんに、それぞれのグループの代表格が話しかけているのを、
遠巻きに見ながら、妹は『私のところに来てほしくないな』、と思っていました。
彼女には悪いけど、ちょっとアレはなあ、と。

翌日には、山本さんは妹とは別のグループに組み込まれるような雰囲気になり、
席も離れてるし、ひと安心、と胸を撫で下ろしました。

しかし、数日後、山本さんは別のグループに混じって弁当を食べていました。
おや? と思っていると、また数日後には別のグループと行動を共にするようになり……。

1/4
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。