車の上に

大学の夏休みにみんなで海に行こうという話になり、車２台で地元から離れた海へ出かけた時の出来事です。

目的の海は長い山道を超えた先にあるということで道中みんな大はしゃぎで向かっていました。

車は段々人里を離れて山道を進んでいくにつれすれ違う車もまちまちになり、周りの木々で太陽の光が遮られかなり暗い道の様でしたがその時はみんなが騒いでいたこともあってその時は「涼しくていいねー！」とのんきに笑っていました。

そして事故にも合わず長かった山道を抜けた道に入った時、それは現れたんです。

前を走る友達の車の上に幼児が乗っている！

しかもそれを目撃したのは私だけではなく、後ろを走っていた車の全員見たんです。

もちろん幼児なんて誰も連れて来ていないし乗っていません。

しかも走行中の車の上。

それでもそのあまりにありえない状況に目撃した全員が否定しようとした時、なんと対向車がその車の方を見ながらパッシングしたことで車内がこれ幻とか気のせいじゃないんじゃ・・と空気になり半ばパニックになりながら私達の車も前の車を止めようと何度もパッシングしたりしても気づいてていない様子で、前の車に乗っている友達に電話しても繋がらない。

最終的に車の窓を開けみんなで大声をだしたり手を振ったりし続けようやく私達の騒ぎに気付いた前の車が道の端に寄りながらブレーキをかけ始めみんながホッとして車の上を見るとそこにもう幼児の姿は無く、もちろん転げ落ちたとかでもなく初めから何もなかったように消えていました。

前の車の友達は何も気づいてなく、むしろ慌てふためいている私達に一番驚いたと言っていました。

幽霊？とも思いましたがこんな一度に何人にも見えるものなのかとも思うし、何より、私たちと全く関係ない対向車までなんてありえるのか、など、これといった答えは出ず、結局あの時の現象がなんだったかは今もわからずじまいです。