奇々怪々 お知らせ

ヒトコワ

kanaさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

壺オジ
短編 2023/02/07 22:17 6,397view
5

両親が共働きで、一人っ子だった幼い私は、よく近所の知らないおじさんの家に行って遊んでいました。

昔は今のように他人を警戒しなくてもよい時代だったのです。
玄関のドアに鍵などかける人もおらず、いつでも隣近所の人が出入りしてました。
私も好きな時におじさんの家に勝手に上がり込んでいました。

おじさんの家には畑もあり、トマトや果物などが成っていて、よくもらっていました。
私が行くとお菓子やジュースもくれました。
きっと子供が好きなおじさんなのだろうと思っていました。

ある日、いつものようにおじさんの家にあがってみると、
そこには青い服を着たガリガリに痩せた女の子がいました。
おじさんはどこかに出かけていたので、私はその子とふたりで遊ぶことにしました。

「かくれんぼしよう」

私が鬼で、女の子が隠れます。

「いーち・・・にーい・・・さーん・・・しーい・・・ごーお・・・もういいかーい」

「まぁだだよ~」

「・・・もういいかぁ~い」

「もぉいいよ~」

私はおじさんの家をくまなく探索してみました。

女の子はなかなか見つかりません。

「もぅ・・どこに隠れたのぉ~」と言うと、

「フフフ」と小さく笑う声が聞こえました。

あっ、笑ってる!・・・「あっちだ!」

私は、洗面所の床に四角く扉がついているのを見つけて、
もしかしてここかな?・・・と思いました。
床の扉は指で突くとクルッと回転して半円形の取っ手が出る仕掛けになっていました。
子供というのは不思議なもので、こんな仕掛けを簡単に見つけてしまいます。
私もすぐにそれに気付いて、扉を上に引っ張り上げました。

するとそこには、狭い階段が地下に繋がっているのが見えました。
コンクリートもむき出しで、少しひんやりする風が吹きあがってきます。

私はその暗闇に向かって
「ここにいるのぉ~」と問いかけました。

1/3
コメント(5)
  • 幼い子を狙う殺人鬼。
    女の子が助けてくれと伝えたかったのでしょうか?

    2023/02/08/01:34
  • 先生は子どもの頃から体験なさったですね。これが初体験ですか?

    2023/02/08/09:50
  • ↑おじさんの方だった可能性もあったりして

    2023/02/08/18:00
  • kamaです。
    これを書いた2日後、
    性的な目的で子どもたちに近づき親密になる“手なずけ行為”が問題視
    という記事がYahooに上がりました。
    こんなことが本当に多いんです、僕の場合。

    2023/02/09/12:12
  • なぜ子供を壺に入れたのか?
    それはもちろん、発酵させて肥料にして畑に撒くためでしょう。
    そしてみんなそれをよろこんで食べていたと。

    2023/02/19/19:35

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。