全裸推奨

母と近所の商店街を歩いています。
道行く人が私をジロジロみるのですが、私には原因がハッキリしていました。
「そりゃそうだ、全裸で真っ赤なエプロンだけしてるんだものね」
現実なら警察に通報されて公然わいせつ罪レベルですが、これは夢です。

夢だけれど誰のツッコミもなく歩き続けるのは相当恥ずかしいのです。
（誰か、何か言ってくれ！普通じゃないだろうこの状況。
ただジロジロ見るだけってなくない？っていうか、母よ！まずあんたの
上着でも提供してほしいんだけど）

夢の中で私は一人で悶々としているのでした。

夢から覚めたのはお昼前でした。
半端ない疲労感です。
夢の内容も、珍しくハッキリと覚えていました。
「全裸の夢って、夢占いの本に載ってたよねえ」

私は書棚の夢占いの本を手に取ると、目次を確認し全裸の夢を探しました。
「ああ、あった！へえええ金運アップのサインか～ええ？出来れば潔く全裸が良い？
どこか一部でも隠すと金運が減る？そうなのか・・・」

残念ながら真っ赤なエプロンで前半分を隠していたので、中くらいの金運というところ
でしょうか。

その日の夕方、ある会社から電話がありました。
３ヵ月ほど前に出していたエッセイが入賞したとの知らせでした。
銀賞だったので、２位です。

「ああ～なるほど賞金は５万円か。前の部分をエプロンで隠してたから半分って
ところね。全裸だったら、１位の金賞１０万円だったわけね」

夢の中で恥ずかしがらす、ぱーっとエプロンを外して裸踊りでもするんだったなと
ちょっと後悔しました。