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心霊

ぴさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

告げ口
短編 2023/01/27 19:10 1,013view
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私は学生時代にお小遣いが欲しくて、家の近くのスーパーでレジ打ちのバイトをしたことがあります。

夏の間だけの話で、本当に短い間でした。

でもそこで仲良くなった従業員山口さんがいて、その人に告げ口をしてしまいました。

三上さんが山口さんの悪口を言っていたとバラしたのです。

それがきっかけで、同じバイト先で働いていた二人のおばさんが一気に険悪になったのです。

まだ精神的にも人間的にも子供だったので、告げ口をしたことでどうなるかまでは想像していませんでした。

まさかここまで険悪ムードになるなんて思わず、私も困っていました。

そうこうしていたら私は夏休みが終わってバイトが終わる日が近づいてきました。

最後の日に私が告げ口をしてしまった三上さんがかなりこっぴどく他の従業員に虐められている姿を目撃し、ものすごく罪悪感を感じました。

そしてそのままバイトを終えたのです。

なんとなくそのことが頭の隅に残ったまま過ごしていたのですが、それから1年後に私が学校帰りにコンビニに寄った帰り道、歩道橋で思いっきり後ろから突き飛ばされたのです。

ぱっと振り向いたときに見たのは、あのバイト先で私のせいで虐められた三上さんでした。

危うくそのまま転がり落ちるところでしたが、なんとか手すりに捕まってギリギリ事なきを終えました。

もう本当にがくがくと足の震えが止まりませんでした。

警察に行くことも考えたけど、あまり大事にするのも嫌だったし、告げ口してしまったという罪悪感があったので、なんとなくバイト先に顔を出してその人のことを聞きました。

そこで思わぬことを言われたのです。

あの日私を歩道橋から突飛ばそうとした三上さんは今年の初めに自殺したとショッキングな話を聞きました。

理由は分からないとあやふやにされたけど、もしかしたら虐めが関係していたのではないかと思います。

ありえないと思い数日前に会った話をしたけど、いやそんなわけないと逆に言われてしまいました。

その日、自宅の郵便受けに手紙が入っており、私はそれを見てぞっとしました。

だってその手紙には「アンタの告げ口のせいで」と一言だけそう書いてあったからです。

あれはきっと恨みを持つ私への三上さんの手紙だったのでしょう。

今もバイト先で告げ口をしたことは、何よりも後悔しています。

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コメント(2)
  • お墓参りし心から謝ったらいかがでしょうか?

    2023/01/28/02:16
  • 軽い気持ちの告げ口が、結局貴方を苦しめる事に。口は災いのもとです。

    2023/09/11/09:37

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