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ヒトコワ

自殺の名所
短編 2021/03/01 23:40 1,372view
私の地元には有名な自殺の名所である吊り橋と、刑事ドラマのラストシーンによく使われる海岸の崖がある。
割と有名なので知っている人はすぐに場所を特定してしまいそうなので詳細は伏せる。
そんな私の地元の自殺の名所での話。

友人宅で酒盛りをしていた時に聞いた話だ。
以下Aとしておく。

Aは私の一個上の先輩で当時高校を卒業し、卒業と同じ年の夏の話だった。
Aは在学中、選択授業で自動車学校で普通免許を取り(我が校では卒業後すぐ就職の生徒は選択授業で自動車学校に行けた)、卒業後暇を持て余してはドライブをしていたらしい。

というのも、私やAの地元はリゾート地と言えば聞こえはいいものの、海と山に囲まれた田舎であり遊ぶような所も大した所は無いからだ。

そんな暇を持て余した若者が考えつくことなんてものは単純なもので、ある日Aは暇に耐えかねて友人を誘って肝試しへ行こうと決めたのだそうな。

肝試しと言っても田舎も田舎、有名なものなんて先述した自殺の名所である吊り橋くらいなもので、深夜1時頃にAは仲の良い友人BとCを電話で誘って吊り橋へ行ったという。

吊り橋へ向かうにはハイキングコース通りに道沿いに歩いていけば良いので迷うこともなく、そもそも小学校の遠足などで来るような場所でもあるので難なくたどり着いた。

真っ暗闇で見通しが悪く、聞こえるのは波の音だけで不気味ではあったらしいのだが所謂心霊的なことは何も起きずに、こんなものかと3人肩を落としてそのまま車に戻る道を歩き始めた。

引き返すまでのハイキングコース途中に公衆トイレがあり、トイレの灯りを見たCがトイレに行きたいと言い1人トイレへ行きAとBは外で待っていた。

すると

『あんた達、こんな所でなにしてんの』

外で待っていたAとBの背後からおばちゃんが声を掛けてきた。
咄嗟のことで驚いたAとBだが見るとトイレ清掃にでも来ていたような風体の普通のおばちゃんだったので安心して胸を撫で下ろした。

「いや、肝試しに来たんですけどもう帰る所なんですよ」

「あんた達ねぇ、暗いし危ないから早く帰りなさいな。全く…」

「す、すみません…」

そう言うとおばちゃんは歩いてその場を去って行きました。
AとBは幽霊も見れないし普通に怒られるし踏んだり蹴ったりだと、早く帰って酒でも飲もうと話しながらCを待っていました。

しかしAはふと違和感を感じたらしいのです。
肝試しに行こうと召集をかけたのが深夜1時、2人を迎えに行くのに30分、吊り橋について引き返してくるまでに30分以上はかかっているはず…今の時間は深夜の2時過ぎてるだろう?深夜2時、トイレの清掃におばちゃんなんか来るか普通?

Aは青ざめてBの顔を見るとBも同じことを思ったのかカタカタ震えていたようでした。

数秒後AとBはうわぁぁぁぁ!!と叫び声を上げながらCを置き去りにして車へと走りました。
車に到着するや否やエンジンを掛けて逃げ出そうとするAとB、その瞬間

ドンッッ!!

と車のフロントに人がしがみついて泣き叫んでいます。

「なんで置いていくの!!なんで置いていくの!!」
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コメント(1)
  • 深夜の見回り…おばちゃん一人で行くものなの?

    2021/03/09/22:39