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心霊

takeさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

ソロキャンプの夜
短編 2023/01/17 12:05 1,315view
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アウトドアが趣味の、知人のOさんから聞いた話です。

10年ほど前、夏季休暇にソロキャンプに出掛けました。
いまはブームですが、当時はそれほどソロキャンパーはおらず、向かったキャンプ場も林の中の渓流沿いに開けた場所があるだけの、トイレと水道以外目ぼしい設備はないところでした。
Oさん以外に、友人同士らしい男性2人のひと組だけしかいません。

焚き火をし、食事を済ませて、お気に入りの音楽を聴きつつ、ナイフで木を削ったり、コーヒーを飲んでいるうちに、あっというまに時間は過ぎます。

深夜に、ふとなにかの物音で目が覚めました。
耳を澄ますと、テントの周りをぐるぐると回るような、ざく、ざく、という足音が聞こえます。

野生動物かなと思いましたが、どうやら人の足音のようです。
体を起こそうとしましたが、金縛りにあったように動けません。

そのうち入り口のジッパーが、ジイィィ……と下がり、開いた隙間から誰かが覗き込んできました。
髪が長く、女性のように見えました。もうひと組のキャンパーはふたりとも男性だったはずです。

ゾッとして声をあげようとした時、体が動くようになりました。
傍の懐中電灯を手に取り、光を当てると、その顔がはっきりとみえました。
皮膚は生気がなく、目があるはずの場所にはポッカリと黒い空洞が開いているだけです。

Oさんはソレと睨み合った後の記憶がなく、気がつくと朝になっていました。

水道で顔を洗っていると、キャンプをしていた男性2人がやってきました。
挨拶をし、昨夜、動物の足音のようなものが聞こえたんですが、変わったことはなかったですかと、尋ねてみましたが、気づきませんでしたという答えが返ってきました。
夢だったのかなと思い、キャンプ場を後にしました。

数日後、そのキャンプ場近くの林の中で、女性の自死遺体が発見されたというニュースがあり、アレはその女性だったのか、と納得したそうです。

「嫌なもん見ちまったよ」
それでもOさんは、今もしょっちゅうキャンプに出掛けているようです。

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コメント(1)
  • お強い方ですね(笑)

    2023/01/17/22:12

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