拾った写真

私が小学生の頃、学校まで歩いて登下校をしていました。普段は友だちや上級生と一緒に帰るのですが、なにかのタイミングでひとりで帰ったことがあります。

都会とは違って顔見知りばかりの土地なので特に不安も感じず、ぼんやりと家路をたどっていました。

公園の前を通りかかったとき、ベンチになにかが置かれているのが目に入りました。近寄ってみてみると、犬や猫の写真が何枚も置いてあったのです。
いま思い返すとインターネットにいくらでも落ちていそうなフリー素材のようでしたが、動物好きだった私は大喜びで写真を眺めていました。

持って帰りたいけどそれは泥棒だし、交番も遠いしどうしよう……と考えながら何気なく写真を裏返したところ、裏面にもプリクラサイズの小さな写真が何枚も寄せ集まって印刷されていました。
よくよく見ると血だまりのなかに倒れている人、人間の解剖の様子、暗い手術室のような部屋などがびっしりと印刷されていました。

当時はうまく認識できず、なんか見ちゃいけないものだ！と思い写真を置いて帰りましたが、いま思うとあれは誰が何のために作ったのか、もしもいたずらなら、そんなことをする人が近所にいるなんてとても怖く思います。

その後も何度もその公園に立ち寄りましたが、同じような写真を見ることは二度とありませんでした。