笑う山

とある所に、あることで有名な山があります。その山は、登山をしている時に誰もいないのにどこからか笑い声が聞こえてくるという山です。

人々は、その山が「なぜ笑っているのだろうか」「死んでしまった子供の幽霊かもしれない」など色々な憶測をし、山のふもとでは延々と噂が飛び交っていました。ふもとの人たちは気味悪がってその山に入らなくなるようになり、見かねた村長がその話をいろいろな所に拡散し、解決できる人はいないかと助けを求めました。

そのおかげか、ついにある大学のオカルト研究チームが謎の解明に名乗りを上げました。研究チームは様々な機械を持ち込み日夜謎の解明に挑みました。すると、笑い声の音が人間の発する周波数の音でないことに気づいたのです。そこから原因を追求したところ、山の中には、沢山の石があり、それらの石が、風によって、擦れ合って、笑い声のような音を立てていたそうなのです。そこの山は反対側にも山があり、隙間風のような風がよく吹く地形になっております。その風と山に昔からあった石たちがこの怪奇現象を起こしていたのです。

ただ、村のふもとの人たちはそれでも「たたりだ」「人間が環境を破壊した戒めだ」と話し、山を怖がっていました。一番怖いのは思い込みの強い人間たちかもしれませんね。