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心霊

トルマリンさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

バスガイドをしていた妹はいつも誰かを連れて来る?
長編 2022/12/21 23:47 1,170view

私の妹は、以前、私と同じようにバスガイドをしていました。幼い頃から何でも私の真似をしたがる妹です。しかし、妹は私と違い車酔いがひどいので両親が反対したこともあり、私とは違う、地元のバス会社に入社していました。

その妹は幼い頃から、私たちには見えないものが見えるらしく、勝手にいつも怯えていて、見えない側からするとその様子がおかしくもあり、奇妙にも見えていました。

妹が小学5年生の時、家族で曾祖母のお見舞いに行き、その帰りの車のなかで、妹はいきなり前方の空を見上げ、「ひいおばあちゃんが、手を振ってる」と言ったのです。車の中の家族全員が「はぁ?」という感じでしたが、笑い話にもできない心境だったので、というのも曾祖母は、寝たきりで認知症でもありましたし、それでもほんの数十分前に挨拶をしたばかりだしという思いでいました。

それから自宅に着くと、けたたましく電話が鳴っていました。母が急いで受話器を取りましたが、「うん、うん」と言った後に泣き崩れてしまったのです。それは祖母からの電話で、私たちが曾祖母のお見舞いの後、30分ほどで息を引き取ったという連絡でした。
妹がちょうど空を見上げて手を振っていた時間帯です。妹はその後も色々と見えていたようですが、やはり周りが気味悪くなるので、あまり家族の前では言わなくなりました。

そんな妹がバスガイドになり、観光名所を案内するのですが、断崖絶壁の観光名所は、自ら命を絶つ場所としても有名な所が多いのです。妹はいつものようにその観光名所を案内していた途中、まさに命を絶った人が運ばれて行くのを目撃したそうです。ぞっとしたそうですが、そのまま仕事をし、疲れて帰り布団に入ると金縛りになったそうです。いつものことかと思っていたら、金縛りのあと、女の人が妹の体の上に乗ってじっと見つめていたそうです。そう、昼間、自ら命を絶ったのはまさしくその女性でした。運ばれている際、妹の側を通った時に顔を覆ってあった白い布が風に吹かれてはだけ、妹はその女性の顔を見てしまったのでした。その日から高熱にうなされ、3日後にお祓いに行ったそうです。

妹が親しくしていた運転手さんが亡くなったことを知ったのもなぜかその名所を案内していた時で、バスに戻った際、同じく霊感のある運転手さんに、「肩、重くないか?」と聞かれ、「お前の肩にあいつが乗ってるぞ」と言われたそうです。何でも、親しくしていた妹に挨拶をしたいだけだったようですが、その霊感のある運転手さんの説得により、なんとか肩を軽くしてもらい、帰宅したという話です。

妹のことが心配で、占い師さんに見てもらった時も、占い師さんに「はぁ〜」とため息をつかれ、とにかく身を守るような石を持つことや、お墓やお寺や人気の少ない場所、それから病院もあまり行かないようにと忠告されました。そのまま妹には伝えましたが、何かと病院に行くのが好きな妹は?相変わらずのようです。

でもその占い師さんが、「お姉さん、大丈夫。妹さんは結婚して子供もできますから」という言葉で、本当に救われたのを覚えています。

確かにその後、妹はでき婚しました。今はおめでた婚というそうですが・・ただ、妹は体が丈夫では無いのに、世間体が悪いと妹の旦那側から言われ、お腹が目立たないうちにすぐに結婚式を、という話になりました。私は猛反対したのですが、聞き入れてもらえませんでした。納得のいかない私は結婚式に出席しませんでしたが・・
その後、2人の子供に恵まれますが、夫婦ケンカのたえない妹夫婦は離婚しました。

妹の霊感は昔ほどでは無いそうですが、今でもなんとなく、私たちに見えない物を感じたりはするそうです。その遺伝が娘にもあるそうで、実家で飼っていた犬が亡くなった時とおなじくして、妹の長女が「玄関に遊びに来てるよ」と言ったそうです。まだ5歳ぐらいだったでしょうか?妹は慌てて実家に電話をすると、ちょうど息を引き取った時だったそうです。母の腕の中でこときれたそうでした。妹や弟は可愛がっていた犬でしたが、私は実家を出てから飼い始めたせいもあり、一度もその犬に触ったこともありませんでしたが、とても切ない気持ちになったのは覚えています。

今年のお正月は年末から具合の悪い祖母のことが気になる年明けとなりました。コロナ禍で帰省しても、会わせてもらえず、結局は会えないもどかしさのままだったのです。1月2日の夜に、突然、見たこともない大きな蜘蛛が出たのです。もちろん、娘はギャーギャー喚き散らし、犬も吠えまくります。殺すにも大きすぎる、しかも夜の蜘蛛を殺してはいけない?などと考えながら、なんとか蜘蛛を外へ出しました。そして何時間か過ぎた朝早くに、祖母が息を引き取ったとの連絡が入りました。まさしく虫の知らせでしょうか?私は幼い頃からよく祖父母の家に預けられていましたし、何より、祖父母の住んでいる田舎が大好きでしたので、本当に悲しくてたまりませんでした。

幼い頃、「どうして?おばあちゃんはそんなに優しいの?」と聞くと「そう思ってくれるんだったら、〇〇の孫にも同じことをしてあげなさい」と言われたのを覚えています。あいにく私の娘は結婚する気もなく、孫の顔も見られそうにありませんが、優しかった祖父母のことは、私のなかでずっと大切にしておきたい宝物のような存在です。両親が共働きだったせいもあり、学校の春・夏・冬休みもすべて田舎で過ごしたと言っても過言ではありません。

高校生の時、悩みがあると一人で田舎に行き、川を眺めながらぼーっとするのが好きでした。今はその祖父母の家にも誰も住んでいません。隣の大好きなおじさんも元旦の朝、あっという間にいなくなってしまい、お墓参りに4年もかかってしまうほど、ショックでした。そのおじさんも私が幼い頃から良く遊んでくれたり、遊びに連れて行ってくれたおじさんだったのです。だんだんとあちらの世界のほうが楽しいのではないか?と思える年頃になった私です。こんなに寂しい思いをするくらいなら〜と考える時もありますが、そういったときは、親しいおばさんが支えてくれています。両親には恵まれなかったかもしれませんが、私は祖父母やおじさんに、おばさんなど優しい人達に恵まれたことをとても感謝しています。またおばさんに会いに行きます。

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