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心霊

YoyoYoyoYさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

墓地の酒盛り
短編 2022/12/27 15:37 679view

うちの父は夜勤の仕事をしていました。
帰宅するのが、午前3時~4時の間です。
職場まで、自家用車で行き来していましたが、駐車場は自宅のマンション内でなく、祖父母の家の一角に駐車していました。

祖父母の家から100メートルほど離れた場所には、小さな墓地がありました。
一度門が開いていたので、入ってみたことがあります。
鉄扉を開くと、左側通路に六地蔵が安置され大小のお墓が所狭しと並んでいます。
明るいうちはそう不気味でもないのですが、夜になると民家も少ないので、それなりの雰囲気を醸し出していました。

その日の仕事帰り、サイダーが飲みたくなった父は自販機を探したようですが、近所はどこも売り切れでした。
そこで、墓地の隣の美容室に自販機があったことを思い出し、行ってみることにしました。

午前3時過ぎ、通りには誰もいません。

墓地の近くに来た辺りで、酒盛りをする声が聞こえて来ました。
こんな時間に、誰が大騒ぎしているのだろう?
すると、その声は墓地の中から聞こえてくるのでした。
墓地で酒盛りなんてバチ当たりな連中だなと思いつつ、自販機のボタンを押しました。
ガチャンっと音がして、サイダーが出て来ました。
すると、墓地の騒ぎ声がピタッと止みました。

父は急に不安になり、急いでその場を離れました。
墓地の横を走り抜ける瞬間、横目で覗いてみましたが人の姿はありませんでした。
「あの時は怖くて、腰がぬけそうだったよ」
今でもその墓地を通り過ぎるとき、話題に出ます。

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