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心霊

神助さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

私と幽霊の母との半年間
短編 2022/12/29 21:52 904view
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怖いと言うような話ではないけれど、幽霊になった母との出来事を書きます。

母は7年前に肺癌で亡くなりました。生前から心霊番組が大好きで、時々霊も視える、私の良き理解者でした。
そんな母が「多分私癌だと思う」 そう言って病院で検査をしたところ余命3ヶ月と診断されました。
私はそれを聞いてショックで泣きました。けれども当の本人は何故か動じていませんでした。
入院拒否、抗がん剤拒否、タバコも好きな時に吸う。ある意味いさぎよい生き方。毎日、それはそれは楽しそうでした。

そして医師の診断した余命を過ぎ、2年が経過。その後母は静かに旅立ちました。
母の死後、私は礼服を新調する為自分が勤める紳士服店へ。

売り場に付くと何と母が居た! そして開口一番に

「お金勿体無いからわざわざ買わなくてもいいんじゃない?」と。
生きている時と変わらぬ姿で話しかけてきました。
「いや、今買っておけばしばらく買わなくて済むよ」
そう言うと母は
「へー、そう?」
と言いながらゆっくりと椅子に腰かけました。

それから葬儀後も母は時々私の前に現れました。
仕事が忙しく、子供の保護者会に行けないなぁ、そう思いながら学校からの手紙を見ていると横から声が。

「おお、代わりに行ってあげようか?あ、でも幽霊だからみんな見えないね( ´艸`)(笑)」
など、あの世ライフを楽しんでいるようでした。

一度当時小学生だった息子(母にとって孫)にも話しかけようと試みたようで、息子がこんな夢を見たと言っていました。
「昨日夢におばあちゃんが出てきて、『〇〇ちゃん、聞こえる?』って」
「で、返事を一生懸命しようとしたら起きちゃって、起きる寸前におばあちゃんが『あ、待ってまだ起きないで~(;´Д`)って』言ってた」
「なんて言いたかったんだろう?」
息子はちょっと残念そうでした。

それから数か月経ち、母は私の前に現れなくなりました。
きっと、自分が居なくなった世界で私がちゃんとやっていけるのか心配だったのだろうけど、もう大丈夫と判断したのでしょう。
今は天国でゆっくり休めているといいなと思っています。

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