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不思議体験

赤やてしさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

夜の教室、友達の声がする
短編 2022/12/27 23:40 730view

中学生の頃の話なんだけど、同じ部活で仲良くなった友達がいたんだ。
大体、自分含め5人組で部活終わりに1時間近く駄弁ったりして、そのうちの1人、安島が不登校みたいになっても、そいつの家に遊びに行ったりして、ずっと仲が良かったんだ。

ある時、「そういやなんで不登校になったの」って話になった。それまで安島の部屋でだらだらゲームなんかしてた時だ。安島ははぐらかして曖昧に笑ってたけど、「なんで不登校」って言いだした、平井が帰ったあとに話し始めた。

 「忘れ物して取りに行ったことがあるんだよね。数学の日比谷先生、宿題しなかったらめっちゃ怖いじゃん。俺、再提出になってて、めっちゃ怒られたんだよ。で、また忘れたらマジでどうなるかわかんないからさ、取りに行ったの。夜八時くらい。
 
 俺らの教室って、職員室の真上じゃん?保健室前の階段上がって、左側が平井のE組で、右に俺らD、次C組ってなってるじゃん。
 上がってすぐさ、パっと左見たんだよ。そしたら、E組の教室、前半分しかないの。
 まあ最初は見間違いかと思った。でも、とりあえずノートだけ取りに行って、帰ろうとしたら、ドア開かないんだよ。

 警備員さんの懐中電灯通ってったの見てたし、間違えて閉めちゃったんだと思うんだけど。
 
 しゃあないから先生に声かけて気付いてもらおうと思って、窓の方行ったら、『ダメだよ』って、平井みたいな声がしてさ。カーテンにめちゃくちゃくっきりした影が映ってた。たぶんぴったり窓にくっついてるくらいの距離だったと思う。平井のテンパの髪型がほぼまんま映ってた。マジでビビッて動けなくなった。
 警備員さんがドア開けて、「カギ閉めちゃうよー」って言うから慌てて出たんだけど。
 最後「もう来んなよ」って聞こえて、それも平井の声でさ。マジでまだ夢に出てくんだよ。
 だからさ、俺4月まで学校いかないつもり。平井はいいやつだけど、なんか怖いから、言わないでね」

平井は3月で引っ越していって、入れ違いに安島は学校に戻ってきた。
それでも、夜の学校には居たがらなかったし、保健室前の階段は卒業まで使っているところを見なかった。

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