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妖怪・風習・伝奇

イエティさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

鬼の棲む滝 part3
長編 2021/02/26 11:29 43,351view
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社長「お、そういうことねw 借金の取り立てとかかと思ったよ。
   でも、残念だけど俺は縁切ってるから連絡先とか知らないよ。
   F市で霊媒師の真似事で稼いでるのは知ってる。胡散臭いけどね。」

俺「いえ、それだけでもありがたいです。F市に行ってみます。」

ってことで、F市に車を走らせた。
ちなみにF市は俺の高校がある市で、実家から1時間ほどの距離。
また2時間かけてF市に到着。

F市はそこまで大きい街じゃない。
繁華街もしょぼいし、霊媒師なんてすぐ見つかるだろう。と思った。
予想は的中。ググったら霊媒師なんて一人しか見つからなかった。

不気味な裏路地に入り、その霊媒師を訪ねた。
霊媒師というか、占い師みたいな印象だった。水晶とかあったし。

入店すると、50歳くらいのおばさんが迎えてくれた。

おばさん「こんにちは~。何見ましょうか。手相?タロット?」

俺「いえ、郷土史について大学で卒論書いてて、A神社についてお伺いしたいんです」

というとおばさんは真顔になって、裏に引っ込んでった。

そして、90歳くらいのおじいちゃんを連れてきた。
おじいちゃんは車いすだったけど、ハキハキしてて元気な印象だった。
このおじいちゃん、当時のA神社の神主さん、ではなくその孫にあたるそうだ。

おじいちゃん→Gとします。

東北訛りがきついけど、あえてそのまま書きます。
標準語にすると途端に胡散臭い…。

G「A神社なぞどごで知ったのや?」

俺「正直に言いますが、鬼に聞きました。
  〇〇山の滝の中の鬼です。」

G「…話したが?食われねがったが?」

俺「無事食われなかったおかげでここにいます。
  A神社のRを連れてこいと言われました。」

G「多分鬼が言ってんのは俺のじじいのそのまたじじいだど思う。
  もうとっくに死んでしまった。」

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コメント(7)
  • 不思議なお話ですね。

    2021/02/26/13:36
  • 面白すぎて困った…
    鬼とはどんな会話してるんですかね?現代までの歴史の話で逸らし続けられそう

    2021/02/26/16:24
  • もしかして大崎市の鬼首ですか??

    2021/03/24/12:29
  • 面白いけど変にリアリティ出さない方が良かったかなと。尻萎みもちょっと残念。
    でも最近読んだ中では良作だと思う。

    2021/03/24/23:39
  • 親戚が、秋田県仙北郡の鬼首に
    住んでいたので、
    ちょっとわくわくしちゃいました(^^)

    2021/03/25/02:19
  • 面白いですね。
    こんな事言っちゃ興ざめですが、転生する際に目を古枝で刺してるのに鬼になった僧侶は目が見えてそう。 

    2021/03/25/06:10
  • 自分も秋田民だけど、地味に怖すぎる…
    女だし、直感的に本気でやばい気がする
    近付かんどこ…

    2021/03/26/07:12

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