廃遊園地とやくざ

「なんかお宝眠ってるんじゃね？」

というKの発言で、そこへ歩みを進めた。

だが雰囲気がおかしい。

もう使われていないはずなのに、いやにこの周辺だけ綺麗だ。

ホームレスでも住んでるのか？と思ったけど、

山の中だからホームレスがわざわざこんな場所選ばないだろう。

当然カギがかかってて、侵入できそうな窓も見当たらない。

入り口の扉は扉の鍵＋ナンバー式の南京錠でロックされてて、

諦めようと思ったんだ。諦めてればよかったんだ。

Kがナンバー式の南京錠を手に取り、

「こういうのって一桁ずらしただけで置いといたりするよな」

そういって下一桁を一つずらすと、空いちゃったんだよ。まさかね。

めちゃめちゃテンションあげあげなKをしり目に、

Sはやべえよやべえよ帰ろうよなんて半べそかいてた。

鍵が開いたことには俺も感動しちゃって、

どうにかして扉の方も開けようぜ！って落ちてた金具とか、

車に戻って釣り針持ってきたりして開けようとしてた。

んで第二のミラクル。セカンドインパクト。

開いちゃったんだよね。幸運なのか不幸なのか…。

中に入ると、絶対人がいただろって形跡があった。

なんか暖かいと思ったら石油ストーブ置いてるし、

カップラーメン食った形跡もある。

もしやと思ったら電気も付いた。